huuchiの音楽論文案内

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ピッチ跳躍の発声のための呼吸運動学と声門下圧の調節-ダイナミックMRI研究

 

『ピッチ跳躍の発声のための呼吸運動学と声門下圧の調節-ダイナミックMRI研究 』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

プロ歌手はピッチ跳躍時に、横隔膜前部を安定させ胸郭をある程度一定に保ちつつ、横隔膜後部を使って声門下圧を細かく制御しているようだ。横隔膜後部の移動レンジは胸郭の4〜5倍、横隔膜前部の2倍。


プロ歌手7人のピッチ跳躍(高←1oct→中←1oct→低)時の呼吸運動をdynamicMRIで観察。同ピッチ持続発声(=呼気運動/通常、横隔膜は上昇・胸郭は下降する)と比較。
1.高音への跳躍では、同ピッチ持続発声より速く全体が上昇、声門下圧上昇。

 

 

2.低音への跳躍時は横隔膜全体の上昇速度が遅くなるか、特に横隔膜後部が下降し(吸気的な動き)、これにより横隔膜のドーム(diaphragm cupolas)の頂点は前方向へ移動、声門下圧を低下させている。一方で横隔膜前部と胸郭の通常の呼気運動は続行、横隔膜前部と後部で別の動きが生じている。


尚、歌手によっては高音への跳躍においても横隔膜を収縮させ、声門下圧を微調整(低下)しており、声門下圧制御の戦略の違いを感じさせる。

 


ツイート主による余談:
胸郭のサイズを変えることによっても声門下圧のコントロールは可能だが、横隔膜の方が動かせる範囲が広いため、プロは精緻な声門加圧コントロールのために横隔膜の動きをメインにしているのではないか(当然、胸郭も動いているが、コントロール上そちらはサブ)。

 

 

元ツイート:

 

 

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