huuchiの音楽論文案内

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クラシック歌唱における「頭部共鳴」と「インポスト」の鼻腔内視鏡研究

 

『クラシック歌唱における「頭部共鳴」と「インポスト」の鼻腔内視鏡研究』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

クラシック歌唱教育では正確な定義の無い多くの概念を使用している。この研究ではその中の「頭部共鳴」と「インポスト」の実態を調査した。


歌の教本ではよく、頭部共鳴は顔や頭の振動感覚が有り、特に高音域で明るい音色を出させるもの、と説明される。
インポストはベルカント唱法に関連し、鼻根部などの「気流」や「柔らかい共鳴」の感覚が有り、上気道(鼻〜喉頭)の閉鎖機構(鼻筋の活性化)によって制御される、と説明される。


クラシック歌手3人、アマチュア歌手1人、非歌手1人に、「頭部共鳴」と「インポスト」とされるそれぞれの歌い方を行わせた。
歌手は頭部共鳴時に軟口蓋を上げ、喉頭口を狭くし、インポスト時には更に狭くした。咽頭喉頭管上部(喉頭口周辺、epilaryngeal tube inlet (≒laryngeal inlet))の比は増加した。

 

非歌手でも、鼻筋収縮時に同様の喉頭管上部の狭窄が観察された。

結論として、頭部共鳴とインポストは共に咽頭腔と喉頭管上部の制御に関連しており、鼻筋が喉頭管上部の幅を調節する補助を行い、それによって喉頭原音と声道の相互作用を向上させる可能性が示唆された。

 

 

元ツイート:

 

 

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