『職業歌手の声帯微小病変―垂直方向の位置からみた手術適応について―』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/larynx/32/02/32_129/_pdf
性別と、クラシックorポピュラーによって、声帯微小病変(声帯結節あるいはそれに類似する病変、ポリープ、浮腫なども含む)が出来る声帯の垂直位置が異なるという報告。
“性差としては女性が上縁・上方など口側(上側)に多く,男性は下縁・下方など気管側(下側)に多”“女性…クラシックで上側に限られており,ポピュラーでは上下相半ば”“不調を自覚する音高・声区による分類では,裏声,裏声と地声高音,地声高音の順に上側から下側に病変が多かった.”図8
※「地声高音」にはミックスボイスが含まれる
“口側であるほど歌唱時の発声および訴えの生じる発声としては音高が高く声区は軽く,気管側であるほど音高が低く声区は重いことと相関していると推測できる”図8
“音高や声区変化に伴う,声帯粘膜波動が生成される部分の上下幅すなわち厚みの変化は,上の位置がほぼ固定され,下の位置が上下することによって生じていると考えられる.すなわち,音高や声区変化に伴う厚みの変化は,下方への厚みの変化に他ならない.”前出のツイートの図9
“病変の性状に関する検討では下縁病変のみに線維化傾向の強い白色肥厚病変が認められ,垂直レベル上の他部位では浮腫病変がほとんどであった.”
“男性の職業歌手の下縁レベルには,他よりも強い炎症を惹起する機械的刺激が継続的慢性的に加わっていると想像される”
“声帯の微小病変は,声帯振動や閉鎖によって加わる声帯粘膜内の剪断応力から生じた炎症の結果であると考えられるが,その病理を理解するには,身体の他の部位と同じように,炎症の惹起および創傷治癒過程 41)を考える必要がある.その全過程は滲出期,増殖期,瘢痕期の 3 期に分けられるが,浮腫病変にとどまっている場合は,滲出期で炎症が収束に向かい,滲出したフィブリンなどが器質化した状態であると考えられる.しかし,線維化傾向の強い病変は,滲出期で炎症が収束せずに増殖期に至り,線維芽細胞の増殖が生じた結果生じると推測できる.”
“男性 2 症例は,ミックスボイスの不調の訴えに対し,原因が器質的なものか技術的・機能的なものか判断が難しかったが,患者と十分に話し合い,まず器質的な病変を除外することを目的に手術となった症例であり,結果として技術的・機能的なものが原因であったと判明した”
元ツイート:
職業歌手の声帯微小病変―垂直方向の位置からみた手術適応について― https://t.co/GJCXFqJeQM
— 風地@毎日音楽の話を(も)しています (@huuchi) 2021年6月1日
性別と、クラシックorポピュラーによって、声帯微小病変(声帯結節あるいはそれに類似する病変、ポリープ、浮腫なども含む)が出来る声帯の垂直位置が異なるという報告。以下、気になった部分をメモ。
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