huuchiの音楽論文案内

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エスニックスタイルとポップスタイルのグロウルボイス

 

エスニックスタイルとポップスタイルのグロウルボイス』
https://www.semanticscholar.org/paper/Growl-Voice-in-Ethnic-and-Pop-Styles-Sakakibara-Fuks/fbed4a30602965996556f87f93e04786fd3cca47


民族音楽南アフリカのコーサ族の音楽)やポップスタイル(ジャズ、ルイ・アームストロング)でかなり一般的な拡張(extended)ボーカルエフェクトであるグロウルについて考察。


グロウルは通常、声帯と声門上構造の同時振動で構成され、発声時には喉頭の位置が高くなり、披裂喉頭蓋ヒダが振動する。披裂喉頭蓋の狭窄は、喉頭管を含む声道の独特の形状に関連しており、グロウルの特徴である。


X線でのモーダル,メタリック,グロウルの3種の発声の観察においては、メタリックとグロウルでは喉頭はC4の高さ程度まで上昇し、喉頭蓋と披裂は非常に接近していた。メタリックとグロウルの喉頭調整に大きな違いはなかった。


ハイスピードカメラ,EGG,音声波形の同時記録においては、グロウル発声時には喉頭蓋領域が前後に圧迫され、喉頭蓋結節と披裂軟骨接触していた。


EGGと音声波形から、声帯が披裂喉頭蓋ヒダの振動に合わせて半周期的に振動していると考えるのが妥当である。この振動パターンはカルグラーと同じであり、披裂喉頭蓋ヒダの2倍周期の振動により低周波が生成される。


グロウル発声時に、声帯及び披裂喉頭蓋ヒダは振動するが、仮声帯は振動しないと考えられる。また、声帯はほぼ逆の位相で振動すると主張するのが合理的である。但し、これらを検証するには、3つのヒダの動きを直接観察する必要がある。


グロウルは2kHz以上の帯域のパワーが非常に弱い。
グロウル発声時の披裂喉頭蓋の狭窄は、喉頭室,仮声帯ヒダ領域,喉頭前庭からなる、カルグラーより大きな空洞を構築する。この共鳴周波数は喉頭室のそれより低く、これがグロウルの特徴となる。


喉頭蓋結節=tubercle of the epiglottis=epiglottic tubercle:喉頭蓋茎の上方の後面(喉頭面)にある小さな隆起

 


元ツイート:

 

 

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