huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。過去ツイも順次追加中。

2023-01-01から1年間の記事一覧

思春期前の男性合唱歌手の内視鏡所見

『思春期前の男性合唱歌手の内視鏡所見』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 変声前及び変声の程度の浅い少年合唱団の歌手28人の喉頭を調査。声種は全員がソプラノだった。7人(25%)の参加者には声帯病変があった。 参加者が歌唱した4つの周波数のうち、24人(85%)の参…

女性歌手における輪状甲状間スペースと声域の関係

『女性歌手における輪状甲状間スペースと声域の関係』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov クラシックの女性歌手43人の安静呼吸時の輪状甲状間スペースと声域の関係を調査。メゾソプラノ歌手はソプラノ歌手よりもCTスペースが有意に広かった(11.6mm 対 10.4mm)。 CT…

総合スポーツ医学:オペラ歌手の心臓のパフォーマンスに関する初の調査

『総合スポーツ医学:オペラ歌手の心臓のパフォーマンスに関する初の調査』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 心臓の機能に対する歌の影響を、オペラ歌手17人とハイレベルアスリート15人を12誘導心電図と2D心エコーで比較して検証。 LV mass(左室心筋重量)はアスリー…

健康な話者の発声努力と強度の変調時の声門下圧の推定として頸部表面の振動の大きさ

『健康な話者の発声努力と強度の変調時の声門下圧の推定として頸部表面の振動の大きさ』https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29204608/ 3段階の発声強度で発声中の、頸部表面の振動と声門下圧(推定値)との関連を健常成人12人で調査。頸部の振動は声門下圧と有意…

表在性喉頭脱水による音声への悪影響の加湿による軽減

『表在性喉頭脱水による音声への悪影響の加湿による軽減』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 空間の加湿治療が、喉頭表面の脱水による発声閾値圧(PTP)への悪影響を軽減するかを調査。 実験では、音声疲労群20人と対照群20人が「脱水(湿度16~27%の低湿度環境で口呼吸…

良性声帯病変の有病率に対する職業上の騒音曝露の影響:全国的な集団ベースの研究

『良性声帯病変の有病率に対する職業上の騒音曝露の影響:全国的な集団ベースの研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 職場での騒音曝露歴と良性の声帯病変との関係を調査。声帯病変があった参加者は、喫煙,高血圧,糖尿病,職場での3ヶ月以上の騒音曝露が有意に多か…

クラシック歌手はクラシック以外の歌唱にも堪能

『クラシック歌手はクラシック以外の歌唱にも堪能』https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38023013/ 女性クラシック歌手22人が他の音楽スタイル(ポップスとララバイ)に歌唱を調整する能力を調査。792件の録音の音響分析では、それぞれのスタイルの歌唱が可能だ…

高齢者の声の変化と喉頭の変形(加齢性音声障害と老人性喉頭)

『高齢者の声の変化と喉頭の変形(加齢性音声障害と老人性喉頭)』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 加齢性音声障害や老人性喉頭に関するレビュー論文。 60歳以上の人口の約20%は音声の問題(加齢性音声障害)を抱えている。歌声はこの問題に、話し声よりもより多くよ…

クラシックの訓練を受けた初心者及び経験豊富な歌手の顎の開き

『クラシックの訓練を受けた初心者及び経験豊富な歌手の顎の開き』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov クラシックの初心者とプロ歌手の各6人の歌唱時の顎の開きを調査。この2群で顎の開きに有意差は無し。2人を除く全歌手は[a]発声時に[i]や[u]よりも顎が開いていた。…

10人のソプラノ歌手が歌う,長く持続するクレッシェンドのビブラートパラメーターの測定

『10人のソプラノ歌手が歌う,長く持続するクレッシェンドのビブラートパラメーターの測定』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ソプラノ歌手10人のF5とA5の音のクレッシェンドをしながらのビブラート等を分析。分析にはオペラ『アイーダ』の「O patria mia」の10件の…

さまざまなタイプの歌声の男性及び女性のプロ歌手の声道寸法の特徴

『さまざまなタイプの歌声の男性及び女性のプロ歌手の声道寸法の特徴』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov プロ歌手107人の声種と声道の長さ,声量,母音のフォルマント周波数などのパラメータとの関連を検討。結果、メゾソプラノと比べてソプラノは口腔と声道の長さが…

喉頭,呼吸,気流の測定を用いたプロ歌手の評価

『喉頭,呼吸,気流の測定を用いたプロ歌手の評価』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov クラシックのプロ歌手60人の声の人類学的/空気力学的パラメータを調査。最も高い音が出せるソプラノ歌手は最も背が低く最も体重が軽く最も肺容積が小さかった。最も低い音が出せ…

音声生成の生理学的背景

『音声生成の生理学的背景』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/48/1/48_KJ00001456378/_pdf “3.1 調音器官の形態”“最も際立つ特徴はヒトで最も著しいといわれる咽頭腔の広さであり,これは言語獲得能力の理由の一つとされている” “ヒトの進化に伴…

Vocal cord dysfunctionに対する口すぼめ吸気法

『Vocal cord dysfunctionに対する口すぼめ吸気法』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/118/1/118_53/_pdf “VCDは気道刺激に対する声門閉鎖反射亢進と,吸気時の声門下陰圧に対する能動的声帯内転運動により生ずる”“声帯奇異運動が「口すぼめ…

高速デジタル撮影で観察したホイッスルレジスタの声帯振動

『高速デジタル撮影で観察したホイッスルレジスタの声帯振動』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 歌手6人(女性4人,男性2人)のホイッスルボイス発声時の声門の動きを、10,000fpsを超えるフレームレートのHSDIで記録した。結果、声帯の運動は6パターンに分類された。 …

中東の歌手のフォルマント周波数

『中東の歌手のフォルマント周波数』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 中東の歌唱スタイルの、プロ歌手または訓練経験のある歌手13人(男性5人,女性8人)の話声と歌声のフォルマント周波数を調査。結果、中東の歌声の母音には歌唱フォルマントは存在しなかった。 /a/,…

ミュージカルパフォーマーの生理学的特徴と歌唱中及びダンス中の心肺機能への影響

『ミュージカルパフォーマーの生理学的特徴と歌唱中及びダンス中の心肺機能への影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov MTパフォーマー21人の①ダンス②歌+ダンスの心肺機能などを調査。MTパフォーマーの有酸素運動能力は劇場ベースの他ジャンルのパフォーマーより優…

初心者とプロのミュージカル歌手の知覚の違い

『初心者とプロのミュージカル歌手の知覚の違い』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ミュージカルの初心者(学年1〜2年の学生歌手)7人とプロ歌手4人の発声スタイル(ベルト,レジット,ミックス(この場合はベルトとレジットの中間))と声音の質(金属的vs柔らか、明るいvs…

制御されたパフォーマンスタスク中のミュージカルパフォーマーの呼吸戦略と最大発声時間の評価

『制御されたパフォーマンスタスク中のミュージカルパフォーマーの呼吸戦略と最大発声時間の評価』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ①歌のみ②ダンスのみ③ダンス&歌の3つのタスクの直後のMPT(最長発声持続時間)や呼吸などを調査。①と②で一回換気量は一定だった。③は…

ミュージカル俳優の声の質,症状,習慣

『ミュージカル俳優の声の質,症状,習慣』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ミュージカルのプロ俳優12人と学生俳優18人を調査。両群ともDSIとAVQI(共に音声障害に関わる)は良好であり、優れたボーカルパフォーマーであった。全員が2つ以上の声道不快感の症状があり…

連携と克服:ボイスティーチャー(歌声のスペシャリスト)と言語聴覚士から見たMTD

連携と克服:ボイスティーチャー(歌声のスペシャリスト)と言語聴覚士から見たMTD pubmed.ncbi.nlm.nih.gov この症例研究は、歌手の音声障害が専門の言語聴覚士と、発声学の訓練を受けた発声教師の協力に注目し、MTD(筋緊張性発声障害)の歌手に対する、治療及…

音色を5つの生理学的パラメータに分解:ボーカルモード、メタリックな音色の量、密度の程度、喉頭のサイズ、及び音のカラーリング

『音色を5つの生理学的パラメータに分解:ボーカルモード、メタリックな音色の量、密度の程度、喉頭のサイズ、及び音のカラーリング』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov CVTの発声タイプ4種において、ピッチ,音量,母音をキープした状態での、明るい〜暗い音色を得る…

メタリックボイスの音響特性

『メタリックボイスの音響特性』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov メタリックまたは非メタリックな声質の歌手の声の特徴を比較調査。結果、普段の話声の発声では、両者のF0に差は無かったが、メタリックボイスはF2,F3,F4が高かった。規定の音高(A3,C5)の発声ではF3,…

母音/i/における横舌筋作用の有限要素法を用いた検討

『母音/i/における横舌筋作用の有限要素法を用いた検討』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/61/1/61_41/_pdf “タギングシネMRI(tagged-cine MRI)のデータ…に基づいて,舌の内部変形の特徴を考慮したうえで舌モデルを構築し…特に横舌筋の効果につい…

メタリックボイス:生理的および音響的特徴

『メタリックボイス:生理的および音響的特徴 』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov メタリックボイスの特徴をプロ歌手21人で調査。メタリックモードの母音エの発声では、口蓋帆の下制,咽頭壁の内側化,喉頭の挙上,披裂喉頭蓋ひだの狭窄,喉頭管の側方狭窄などの声道調…

アレルギー性鼻炎と喉頭病変:リアルワールドエビデンス

『アレルギー性鼻炎と喉頭病変:リアルワールドエビデンス』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov アレルギー性鼻炎(AR)はアレルギー性喉頭炎,COPD,喘息,慢性副鼻腔炎などの疾患との関連が知られているが、他に喉頭浮腫,音声障害,声帯結節など音声の問題とも関連する。…

プロ歌手の歌唱スタイル,発声習慣,全体的な健康状態

『プロ歌手の歌唱スタイル,発声習慣,全体的な健康状態』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 19〜57歳のプロ歌手57人(平均年齢32歳 女性31人/男性26人)の歌唱スタイル,発声習慣,健康状態を分析。53±2%に呼吸器疾患があり、23±2%に鼻炎があった。 89±2%が非喫煙者だ…

輪状甲状関節ー構造の異なるタイプに関する機能的側面

『輪状甲状関節ー構造の異なるタイプに関する機能的側面』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 50の死体標本の100の輪状甲状関節(CTJ)の、形態学的及び機能解剖学的構造を明らかにした。使用された標本は、女性25人,男性25人。 輪状甲状関節の軟骨表面は、MaueとDickso…

声帯の弓状変化の定量的評価と各種パラメーターについての臨床的検討

『声帯の弓状変化の定量的評価と各種パラメーターについての臨床的検討』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/larynx1989/17/1/17_1/_pdf “声帯の弓状変化は,反回神経麻痺や声帯溝症などの疾病や,レーザー手術などの後に見られる所見”“器質的・機能的疾患…

声帯萎縮の病理組織学

『声帯萎縮の病理組織学』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp1960/43/4/43_4_432/_pdf “声帯萎縮とはいったん正常の大きさまで発育した成人・小児声帯の容積,あるいは声帯の層構造を構成する各組織の容積が単独にあるいは重複して減少し,発声機能が…