『Vocal cord dysfunctionに対する口すぼめ吸気法』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/118/1/118_53/_pdf
“VCDは気道刺激に対する声門閉鎖反射亢進と,吸気時の声門下陰圧に対する能動的声帯内転運動により生ずる”“声帯奇異運動が「口すぼめ吸気法」施行中に改善し呼吸法中止により再発することを確認”
“正常の呼吸サイクル…呼吸運動と声帯運動は迷走神経反射や随意調節により絶妙に調節され連動しており,吸気相では声帯の外転により声門は開大し,呼気終末期には呼気終末陽圧を保ち肺胞を開存させるために声帯はやや内転する”
“Vocal cord dysfunction(VCD)とは吸気時の声帯の内転運動による上気道狭窄が生じ,呼吸困難感,吸気時に頸部に優位な喘鳴を来す疾患”“呼吸機能そのものは正常であり,また発作期以外は呼吸状態や喉頭所見も正常”
“発症の契機や背景として運動,心因反応(不安神経症,心的外傷後ストレス障害(Posttraumatic stress disorder ; PTSD)など),神経障害後,気管挿管抜管,胃食道逆流症,上気道炎,刺激物質吸入,中枢神経障害などが指摘”
“治療としては主に3つの点に留意して行った.まず患者に病態を説明すること,次にVCD発作の誘因に対する対応,そして呼吸法”
“気道狭窄の原因が腫瘍でも声帯麻痺でもなく,自身の身体の一部の筋緊張によるものであることが分かること,理解されず悩んでいた病態が自分一人に起こっている奇妙な状態でないことなどを理解してもらうと少し楽になるようである”
“夜間就眠中に発症する症例の中には自覚のない胃酸逆流症症例も含まれていると考え胃酸逆流症に対する生活指導やプロトンポンプ阻害薬(PPI)の処方を,嘔吐後を誘因とする症例に対しては嘔吐の原因病態の治療とともにPPI投与を行った”
“呼吸困難感により気持ちが高ぶり急速に多量の吸気を得ようとして努力性吸気運動を行うと,さらに気道狭窄が進む”“口すぼめ吸気法は「落ち着いて,ゆっくり,少しずつ」息を吸ってほしいことを分かりやすく伝え,また実行できているかどうかを医療者も目で確認できる方法”
“心因的因子により声門閉鎖反射発動の閾値が低下した状態において上気道感染,後鼻漏,胃酸逆流,運動による呼吸運動増加時,刺激物質や強いにおいの吸入などの外的,内的気道刺激が加わった場合,気道防御反応としての声門閉鎖反射が比較的容易に起こり得る”
“もう一つは声帯内転筋の吸気時の反射的緊張亢進”“努力性吸気時には声門下圧が低下し声帯は受動的な内転が起こるが,これに加え能動的な内転運動が起こる”“吸気時の声門が狭窄した状態で吸気運動がなされた場合,気道反射の一つとして,声帯内転筋の緊張が高まることが筋電図により確認されている”
“「口すぼめ吸気法」においては,軟口蓋の挙上により鼻咽腔が閉鎖し鼻腔からの吸気の供給が絶たれ,給気孔は口腔のみとなる.さらに口すぼめにより吸気供給孔が随意に縮小されるため声門上の気道が陰圧となり,声門上と声門下腔の気道内圧差が軽減すると考えられる”
元ツイート:
Vocal cord dysfunctionに対する口すぼめ吸気法 https://t.co/XKB9hFcLdp
— 風地@毎日音楽の話を(も)しています (@huuchi) 2023年11月29日
“VCDは気道刺激に対する声門閉鎖反射亢進と,吸気時の声門下陰圧に対する能動的声帯内転運動により生ずる”“声帯奇異運動が「口すぼめ吸気法」施行中に改善し呼吸法中止により再発することを確認” pic.twitter.com/mHIMdL6aSO
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