huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。過去ツイも順次追加中。

仮声帯発声の音声治療

 

『仮声帯発声の音声治療』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp1960/42/3/42_3_213/_pdf

 

“症例は66歳の男性で,嗄声を主訴とし来院した.軽度の声帯溝症を伴った仮声帯発声の診断”“喉頭ファイバースコープを用いた視覚的フィードバック法および音声訓練を実施”“初診より90日後の最終評価では仮声帯の接近は解消され,声帯による声門閉鎖が得られ,音声も良好となった”


“本例の仮声帯発声の原因は声帯溝症による声門閉鎖不全を代償するものと考えられた.ファイバースコープでの発声運動の視覚的フィードバック,音声治療手技が有効であった”


“音声訓練として行った方法…括弧の中にはその目的を示す.(1)あくび一ため息法,(2)舌出し法(喉頭全体の緊張の除去),(3)high pitch発声,(4)吸気発声法(仮声帯の閉鎖を除去し声帯振動を促す),(5)ピアノでの音階練習(声帯振動が得られた後optimal pitchを獲得)および(6)pushingの改善)”


“10回のセッションを終了…仮声帯の接近は解消され,声帯による声門閉鎖が得られ,ストロボスコピーではclosed phaseは短いものの声帯振動もほぼ正常となっていた.音声検査成績では最長発声持続時間の延長,平均呼気流率の減少,声域の拡大が認められた”


“GRBAS評価では,G(0)R(0)B(1)A(0)S(0)と声質の改善を認め,ソナグラム上も倍音波形の振幅が大きくなり,櫛型に明瞭な調波構造が出現するようになって,雑音成分の減少を認めた”


“過去の文献…に記載された仮声帯発声の原因はさまざまである.しかしながら,その機序はいずれも真声帯に代わり仮声帯が発声の音源の役割を果たすものであるという点で一致”
“音声を含めた病態の記述は,報告者により用語に違いはあるものの,Booneのいう低いピッチ,声の単調さ,嗄声の3要素が主要なもの”


“斎藤(1974)12),水野(1975)13),田村(1977)14)は仮声帯肥厚による器質的な発声障害の報告を行っている.いわゆる保存的な治療を実施した後に改善の認められなかった症例で仮声帯の肥厚を認めたものに対し,外科的手術を施行して良好な結果を得た”

 

 

元ツイート:

 

 

この記事及び元ツイートは論文(の存在)を紹介するだけの簡単なものですので、詳しい内容についてはリンクから元の論文を参照してください。