huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。過去ツイも順次追加中。

外転型痙攣性発声障害に対する音声治療

 

『外転型痙攣性発声障害に対する音声治療 』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp1960/44/3/44_3_172/_pdf

 

 

“外転型痙攣性発声障害(abductor dysphonia,以下,外転型SDと略す)は,発話中,無声化や気息性嗄声などが間欠的に生じる疾患である 1~3).これらの音声症状は声帯の不随意な外転により生じ,その本態は喉頭の局所性ジストニアであるとの仮説が有力であるが 3~5),いまだ不明な点が多い”


“症例は24歳女性,会社員”“「声が出しにくい」「話しはじめが声にならない」”“発話時のファイバースコープによる観察では,母音や有声子音などの構音時に声帯が外転することや,無声子音の構音時に声門が開大した後,後続母音に対応する声帯の内転開始が遅れることが観察された”


“症状はプッシング法や硬起声といった声門閉鎖を促す方法によっては変化しなかったが,話声位を下げると著明に軽減”
“症状の軽減が得られる音域で,聞き手に違和感を与えず,かつ患者にとって比較的発声しやすいG3(196Hz)とB3(約247Hz)の2つを目標話声位として設定”


“月に2,3回,約8ヵ月間の訓練で目標話声位での文の音読や簡単な会話が可能となった”“変更後の話声位で,会話練習や雑誌などを用いた文章音読,さらに電話による会話練習などをおおむね月に1回,約1年間行った.変更後の話声位を日常会話でほぼ常に使用していること,および治療効果が持続していることを確認”


“外転型SDの治療および筋電図に関する従来の報告から示唆されるのは,外転型SDの神経・筋レベルにおける障害が一様ではないということであり,このために特定の一つの喉頭筋へのアプローチではその効果におのずと限界があるということである”


“本症例の音声症状には何らかの形でCTの活動上昇が関与しており,話声位を下げた発声法,すなわち相対的にCTの筋活動が優位でない発声法が本症例のこうした神経・筋レベルの障害パターンに対して適切であったから良好な治療効果を得ることができたと推測される”

 


元ツイート:

 

 

この記事及び元ツイートは論文(の存在)を紹介するだけの簡単なものですので、詳しい内容についてはリンクから元の論文を参照してください。