huuchiの音楽論文案内

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専門医を悩ませる高齢疾患への対応ー声帯萎縮症ー

 

『専門医を悩ませる高齢疾患への対応ー声帯萎縮症ー 』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/123/6/123_528/_pdf

 

 

“咽喉頭の加齢変化は50歳前後から起こり,最初は粘膜の繊毛機能低下や粘液産生低下により咽喉頭の乾燥や痰がらみが起こる”


“声帯萎縮が起こると嗄声が発生するが,その後咽喉頭全体の筋力低下,知覚低下が起こると嚥下障害を来す”“通常,音声障害が嚥下障害に先行するので,声がかすれだしたら要注意”


“声帯の萎縮は粘膜および声帯筋の萎縮によって起こる”“粘膜は厚さがわずか1mm程度”“声帯振動を支えるとされるヒアルロン酸が減少し,コラーゲン線維が蓄積”“歳とともにターンオーバーが減少し,不良なコラーゲン線維が蓄積して線維化を来す.これらの組織変化により声帯は硬く痩せていく”


“声帯萎縮の診断は比較的容易であり,喉頭内視鏡検査で声帯の弓状変化が明らかであれば診断される”


“声帯萎縮の予防方法”“1.声の衛生”禁煙は当たり前”“加齢による胃酸逆流による逆流性咽喉頭炎の予防も重要で,ライフスタイルや食生活の注意は有用”“喉頭アレルギーや花粉症に代表される上気道のアレルギー性炎症の予防も声の維持に重要”


“表1 胃酸逆流を抑えるための留意点
1.胃酸を増やすものは取り過ぎないこと
⑴ 最も注意:ビネガー,赤ワイン,トマトソース,シトラス
⑵ 注意:ソーダ(コーラなど),カフェイン(コーヒー,紅茶,お茶),チョコレート,ミント,ガーリック

2.胃酸を増やしにくいもの,減らすものを取ること
ココナッツ,アーモンド,米,醤油,牛乳,キュウリ,人参
3.酒の飲み過ぎ,たばこは控える
4.肥満に注意し,適度な運動をとる
5.できるだけストレスをさける
6.寝る2~3時間前の飲食はさける
7.枕を高めにして寝る”


“2.声帯の保湿”“加齢に伴い声帯を含め咽喉頭は乾燥する.声帯は乾燥すると発声により炎症を来しやすくなるため,声帯の保湿は極めて重要”“カフェイン入りのもの(コーヒー,紅茶,お茶)は利尿作用があり…保湿に結び付かない”“カフェインやアルコール飲料は胃酸分泌を増やし,逆流性炎症を助長”


“3.発声訓練”“毎日の朗読や歌唱は推奨され,特に歌唱は音域変化に伴い声帯のストレッチに役立つため有用”“歌手は声帯の維持が良いことが臨床的に確認され報告されている”“歌は
嚥下機能の維持のためにも推奨”


“4.抗酸化剤・抗酸化食品”“加齢に伴い声帯粘膜内の活性酸素が有意に増加することを確認しており,これが声帯劣化の大きな一因”“抗酸化剤を投与し続けることで,声帯内の活性酸素が有意に抑えられることをラットを用いて明らかに”


“声帯萎縮の治療”“1.音声治療”“音声機能拡張訓練(VFE:vocal function exercise)”“加齢声帯萎縮患者の各種音声機能パラメータの有意な改善効果が多数報告”

“声帯を過度に閉鎖させる“プッシング法”は,現在世界的には行われることはない.非生理的発声で過緊張発声を助長するからであり,より生理的な発声法を用いるべき”


“2.喉頭注入術”“加齢声帯線維芽細胞は細胞外マトリックス産生能が低下し,ヒアルロン酸や弾性線維の減少を招くとともに劣悪化してコラーゲン線維の沈着を来す”

塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)や肝細胞増殖因子(HGF)は声帯線維芽細胞の増殖を促すとともに,ヒアルロン酸産生を高め,コラーゲン分解酵素(MMP)産生を亢進することで萎縮硬化した声帯粘膜を再生させる”

 


元ツイート:

 

 

この記事及び元ツイートは元文献(の存在)を紹介するだけの簡単なものですので、詳しい内容についてはリンクから元文献を参照してください。