huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。過去ツイも順次追加中。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

フェイスマスクが歌声の音響的・聴覚的な知覚特性に与える影響

『フェイスマスクが歌声の音響的・聴覚的な知覚特性に与える影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov マスクによる歌声の変化についてマスク4種を比較調査。マスク着用により歌声の特定の周波数帯の増幅及び減衰が示された。N95及びサージカルマスクの着用時には歌唱…

声帯結節患児の性格、心理的要因、および行動傾向:系統的レビュー

『声帯結節患児の性格、心理的要因、および行動傾向:系統的レビュー』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 良質/中程度の評価を得た症例対照研究計8つによる系統的レビュー。結論:外向性と衝動性(及びそれらに伴う行動傾向)に関連した性格特性が、子供に声帯結節を起…

ヒト仮声帯ー抗菌防御機構の分析

『ヒト仮声帯ー抗菌防御機構の分析』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 病原因子に対する防御機構との関係における仮声帯の構造の分析を、34の屍体の仮声帯で行なった。 仮声帯の混合腺は上皮細胞と杯細胞と共に複雑な粘液の層を合成。全例で、この層にはN-アセチル…

ヒト口蓋咽頭筋の形態的・機能的意義を考える

『ヒト口蓋咽頭筋の形態的・機能的意義を考える 』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/johb/34/2/34_19/_pdf レビュー論文。 “口蓋咽頭筋は,文献報告が少なく,教科書においても詳細な記載の少ない筋”“軟口蓋の構成にも関わっており…軟口蓋の筋構築を考…

健康な男性と女性における上気道の形態と頭位

『健康な男性と女性における上気道の形態と頭位』 https://researchgate.net/publication/317167595_Upper_Airway_Morphology_and_Head_Posture_in_Healthy_Men_and_Women 顔型と咬合が健康な男性38人と女性38人の上気道の形態学的差異を調査。骨構造/軟部組…

歌声の質の音響測定に対する頭の屈曲/伸展の影響

『歌声の質の音響測定に対する頭の屈曲/伸展の影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 頭の屈曲/伸展の歌声への影響をプロ歌手20人で調査。伸展時にはF0と低周波領域が大きくなり、屈曲時にはSPRが増加した。頭部伸展は声の全体的なラウドネスを高められる可能性が…

早産は正期産相当年齢のヒト乳児の自発的泣き声のF0の上昇と関連する

『早産は正期産相当年齢のヒト乳児の自発的泣き声のF0の上昇と関連する』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 早産の新生児ほど高い声で泣く傾向がある。泣き声のF0は、早産である在胎32週未満は460〜642Hz、同じく32〜36週は435〜609Hz。37〜42週の正期産は361〜524Hz…

合唱歌手の呼吸行動と声の質に対する指揮の異なる予備動作の影響

『合唱歌手の呼吸行動と声の質に対する指揮の異なる予備動作の影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 合唱歌手18人の曲の開始前の呼吸への、指揮開始前の予備動作の影響を調査。外方への動作Bは腹式呼吸を、内から上への動作Aは鎖骨呼吸を誘発させた。また、それぞ…

男性アルトのレジスタ機能における声道構成

『男性アルトのレジスタ機能における声道構成』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov プロの男性アルト(カウンターテナー)歌手7人のモーダルからステージ(カウンター)ファルセットまたはナイーブファルセットへの声区移行時の声道形状を分析。 ステージファルセットへの…

声帯接触圧制御における喉頭管上部と喉頭の調整の相互作用

『声帯接触圧制御における喉頭管上部と喉頭の調整の相互作用』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 声帯垂直厚/初期声門間角度/声門下圧の相互作用により声帯の接触圧ピークは喉頭管上部狭窄と共に増減する可能性。喉頭管上部狭窄は発声効率を大幅に向上させ、音圧レベ…

テナーのパッサッジョにおける声帯の力学に対する母音の影響

『テナーのパッサッジョにおける声帯の力学に対する母音の影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov テナー歌手6人の母音[aː][iː][uː]でのA3→A4のグライド歌唱(レジスター遷移)を観察。母音はパッサッジョの発声の安定性に影響を及ぼすという仮説を支持する結果が得…

男性のパッサッジョ中の声帯振動パターンに対する鼻音の影響

『男性のパッサッジョ中の声帯振動パターンに対する鼻音の影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov プロの男性クラシック歌手8人の声区遷移を観察。モーダル→SVaP(ミックスボイス)では、歌手5人で鼻音性が増し4人のOQ安定化に関連。鼻音は声区遷移における声帯振動の…

慢性喉頭炎の病態生理の理解に向けて

『慢性喉頭炎の病態生理の理解に向けて』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 慢性喉頭炎のレビュー。慢性喉頭炎は最も一般的な器質的音声障害であり、全ての音声障害症例の約10%を占める。 症状は声が掠れる、喋りにくい、喉の痛み、咳払い、咳などで、多量の粘液の過…

ベルト及びニュートラルの歌唱スタイルにおける呼吸と音響の違い

『ベルト及びニュートラルの歌唱スタイルにおける呼吸と音響の違い』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 長年ベルトスタイルで活動している女性プロ歌手6人のベルト/ニュートラルの歌声や呼吸運動などを比較。ベルトスタイルはよりサウンドレベルが高く、声門下圧が高…

オペラ歌唱、クルニング、エッジにおけるプロ歌手3人の声道寸法-大声での歌唱を検討した複数の事例研究

『オペラ歌唱、クルニング、エッジにおけるプロ歌手3人の声道寸法-大声での歌唱を検討した複数の事例研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov プロ歌手のオペラ,クルニング,エッジ(ベルト)の大声発声時の声道寸法をMRI測定。オペラ発声はクルニングと比べ低喉頭/舌-…

発声中の垂直喉頭位置に対する吸気腹壁運動の影響

『発声中の垂直喉頭位置に対する吸気腹壁運動の影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 腹壁を内(in)/外(out)に動かして吸気後の発声中の喉頭位置への影響を男女各17人で調査。腹壁out後はinと比べ喉頭位置が高い。この結果は腹壁拡張で横隔膜がより下降し気道が引…

嚥下障害のある頭頸部がん患者における嚥下介入としての治療的歌唱

『嚥下障害のある頭頸部がん患者における嚥下介入としての治療的歌唱』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 頭頸部がん患者の治療的歌唱による介入群15人と対照群13人を比較。介入群のL-DDKは対照群に比べ有意に増加、嚥下機能はVDSとDIGESTで有意な改善。特に、喉頭挙…

男性の訓練を受けた歌手と非歌手のボイスプロファイル

『男性の訓練を受けた歌手と非歌手のボイスプロファイル』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 男性の歌手/非歌手のSFF(話声位)/話声の周波数範囲/話声の強さを年齢で比較。非歌手の平均SFFは若/老年より中年話者で低かった。テナーは年齢に関連したSFF傾向は無く、若…

Extreme Vocalsーラフボーカルエフェクトを歌唱及び指導するプロ歌手20人の声の健康に関する後ろ向き縦断研究

『Extreme Vocalsーラフボーカルエフェクトを歌唱及び指導するプロ歌手20人の声の健康に関する後ろ向き縦断研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ラフボーカルエフェクト(所謂デスボイス)のディストーション,グロウル,グラント,ラトル,クリーキングを使うプロ歌手…

エリート歌手に対する下顎下制法とその共鳴的影響

『エリート歌手に対する下顎下制法とその共鳴的影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ベテランクラシック歌手5人の低下顎位置法での発声を調査。同法は喉頭低下と咽頭/口腔の共鳴腔の増加により音声に大きく影響した。下顎の垂直降下は0.7〜3.1cmの範囲で、H1のブ…

下顎下制法:空気力学的及び音響的測定に対する影響の予備研究

『下顎下制法:空気力学的及び音響的測定に対する影響の予備研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 低下顎位置法(LMM)による下顎低下と口腔領域増加は、発声努力を大幅に変えずに発声効率と音声出力を増加させた。LMMは容易に学習/実践でき、訓練中の歌手や過緊張…

吸気歌唱における声道の形態:母音生成時の特徴ー職業歌手における事例研究

『吸気歌唱における声道の形態:母音生成時の特徴ー職業歌手における事例研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 吸気歌唱(発声)をMRIで観察:通常の発声と比べ、開口は小さく、声門下腔は狭小、supralaryngeal inlet(喉頭口)は大きく、舌の前後径は小さい。音響…

健常プロ歌手32人におけるエクストリームボーカルエフェクト(ディストーション,グロウル,グラント,ラトル,クリーキング)のEGG及び音響的測定

健常プロ歌手32人におけるエクストリームボーカルエフェクト(ディストーション,グロウル,グラント,ラトル,クリーキング)のEGG及び音響的測定 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov プロ歌手32人のExtreme Vocal Effectsを分析。各Effectは0~3.5 KHz及び12kHz以上の…

変声障害の持続性裏声発声に対する下顎下制法の有効性

『変声障害の持続性裏声発声に対する下顎下制法の有効性 』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 低下顎位置法によって治療を行なった、持続性裏声発声の変声障害患者20人を分析。19人がセッションを完了した。そのうち17人が低音への声域の移行が成功し、自己認識の声…

プロのオペラ歌唱が頭頸部の姿勢に要求すること

『プロのオペラ歌唱が頭頸部の姿勢に要求すること』 ncbi.nlm.nih.gov プロのオペラ歌手は歌唱中に頸椎を動かしており、それによって咽頭スペースのコントロールも行っている。このため、オペラ歌手が頸椎の手術を受けた場合、歌声の質に影響がある可能性が…

ヒト横隔膜の筋線維構成について

『ヒト横隔膜の筋線維構成について』 www.jstage.jst.go.jp “横隔膜筋層の厚さは各部の平均2.1~2.5mmで,腰椎部が最も厚く,以下肋骨部,胸骨部の順であったが,その差は僅か”“他筋と比べて,棘腕筋よりも薄く,側腹筋や下咽頭収縮筋と大よそ等しかったが,内腹斜筋…

ダウン症の小児における声門弁の喉頭空気力学的分析

『ダウン症の小児における声門弁の喉頭空気力学的分析』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ダウン症児17人の声を、年齢を一致させた典型的発達児の対照群と比較。ダウン症児はESGPとLARが有意に増加、有意差は無いもののMAFRが低値。ダウン症児の緊張性のしわがれ声…

声紋認証における人種および性別の格差の調査

『声紋認証における人種および性別の格差の調査』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 白色人種/黒色人種/アジア系/ラテン系の各75人(男女各150人)の計300人の声の特徴を調査。6つの声紋認証機器での平均精度は、白色人種よりもラテン系は12%低く、男性より女性の方が…

超音波で評価された健康なボランティアの横隔膜厚の解剖学的バリエーション

『超音波で評価された健康なボランティアの横隔膜厚の解剖学的バリエーション』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 健康なボランティア46人の横隔膜厚を計測。平均横隔膜厚は、後腋窩線(1.24mm)と中腋窩線(1.27mm)は同等であり、鎖骨中線はかなり厚かった(2.32mm)。 …

CTで見た輪状甲状関節に影響を与える加齢に伴う変化

『CTで見た輪状甲状関節に影響を与える加齢に伴う変化』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 若年群49人(男性27女性22)/老年群51人(男性25女性26)の輪状甲状関節を強直/狭窄/びらん/密度増加の4点で比較。結果、老年群では左右の関節の強直が多く、左の狭窄も多かった…