huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。一部、論文化されていない研究の紹介も含みます。

声のフォーカス調整による開鼻話者の鼻音化率の低減:知見の追試と拡張

『声のフォーカス調整による開鼻話者の鼻音化率の低減:知見の追試と拡張』

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40842432/

 

voice focusによる鼻音への影響を、口蓋裂修復術を受けた開鼻声話者6人で調査。結果、nasalance scoreはベースライン58.2%,後方44.2%,前方60.8%,最終ベースライン53.0%だった。


後方へのフォーカスにおいて、鼻音化率は有意に低下した。
参加者の個々のスコアの検討では、6人中4人で顕著なnasalance scoreの低下が認められ、低下の幅は、後方で最大44%、前方で最大23%だった。


尚、先行研究では、後方へのフォーカスにおいてnasalance scoreが減少し、前方へのフォーカスでは増加したが、前方フォーカスでスコアが低下した者も存在した。


nasalance score:口腔及び鼻腔から検出された音響エネルギーの合計に対する鼻腔からの音響エネルギーの比率を示したもの。全ての音が鼻から出る場合を100%、全く出ない(全て口腔から出る)場合を0%とする。

 


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脱水による音声変化の基となる生物学的メカニズム

『脱水による音声変化の基となる生物学的メカニズム』

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12003510/

 

薬剤等による脱水後のPTP(発声閾値圧)の上昇は、全身の脱水と声道の分泌物の脱水(減少)のどちらか又は両方によって起こるのかを調査。結果、利尿薬のラシックスは全身の脱水を引き起こし、PTPが23%上昇した。


全身の脱水は体重によって、分泌物の脱水は唾液粘度によって推定された。薬剤は、利用薬のラシックス60mg、抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミン塩酸塩50mg、プラセボの糖衣錠が、それぞれ別の日に投与された。


ラシックスの投与後1〜4時間の間に総体重が約1%減少(脱水)し、その状態は少なくとも8時間持続した。PTPの上昇は、全身の脱水の確認後、数時間後(投与後5〜12時間)になってから起こった。


ジフェンヒドラミン塩酸塩の投与では、脱水やPTP上昇を示す証拠は認められなかった。
これらの結果は、全身の脱水状態がPTP上昇の要因となり得ることを示唆している。


PTP=phonatory threshold pressure=発声閾値圧:声帯振動が開始するために必要な最低限の声門下圧

 


元ツイート:

 

 

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円を描く腕の動きと歌唱の音響的・知覚的指標の関係:モーションキャプチャー研究

『円を描く腕の動きと歌唱の音響的・知覚的指標の関係:モーションキャプチャー研究』

journals.sagepub.com

 

腕を低い位置で円を描くように動かしながら歌った際の、動作による声への影響を、歌手49人で調査。結果、33人(67.3%)が、非動作時と比べ、動作時は目標音高により近い高さで歌唱できていた。


参加者の知覚として、動作を伴う歌唱では「音色が豊かになる」「多くの息が使える」があり、動作のない歌唱では「歌うのが容易」「歌うのが快適」があった。
この研究の結果は、動作を伴う歌唱が、音程,他の身体動作,歌唱に対する知覚に影響を与え得ることを示唆している。

 


関連の研究>

 

 


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ホールで響く音の源泉——楽器と歌唱の放射特性を通して音の広がりを見つめ直す——

 

『ホールで響く音の源泉——楽器と歌唱の放射特性を通して音の広がりを見つめ直す—— 』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/82/4/82_215/_pdf/-char/ja

 

 

“本稿では,まず楽器や歌唱の空間放射特性について,直感的に理解しやすい図を交えて紹介する。次に,こうした放射特性が実際の聴感にどのような影響を与えるのかを調べた研究を紹介する”


“ワイヤフレームで構成された80面体の頂点42か所に小型マイクロホンを取り付け,楽器を取り囲むように設置”“演奏音や歌唱音を,すべてのマイクロホンを用いて同時に録音することで,前後・左右・上下といった様々な方向から届く音を3次元的に捉えることができる”


“3.3 オペラ歌唱の放射”
“オペラ歌手(ソプラノ)が高音域で母音「あ」を持続歌唱した際の空間放射特性を図–4に示す”


“歌声の基本周波数に近い低周波数帯(~1kHz)では,前方に放射されているものの,正面方向への指向性は高くない。一方,中高周波数帯では,正面方向への指向性がより強く表れている(特に,1,500Hz,2,000Hz,4,000Hz)”


“3,000Hz前後の周波数帯域は,男性歌手におけるシンガーズ・フォルマントに相当する役割を担う周波数領域”“オペラ歌唱において声が客席後方まで通るために重要”“前方斜め下方向に放射された音はまず床面で反射されるため,床の存在も空間的広がりを持つ音場の形成に重要な役割を果たすと考えられる”


“バイオリンやギター,歌唱では,周波数帯ごとに空間放射パターンが異なっている”“反射音の影響を受けるホール空間においては,こうした放射特性が楽器や歌唱らしさを形成する一要因となり,最終的な音色や聴覚印象に影響を与えることが示唆される”

 


元ツイート:

 

 

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身振りを伴う歌唱:ソロ歌手における音響的知覚的指標の検討

 

『身振りを伴う歌唱:ソロ歌手における音響的知覚的指標の検討』

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31607422/

 

2種類の身振り(①手を体の横で外回りに回す動き②腕を胸の高さから頭上へ向かって外上方へ指差す動き)による歌唱への影響を、学生歌手32人で調査。


研究参加者の大半(62.87%)は、②の指差しジェスチャーでの歌唱時に音程がより正確になる傾向を示したが、①の手で円を描く動きでは次第に音程が不正確になる傾向が見られた。但し、この①の動きの結果は先行研究9,11とは大きく異なる。


身振り有りの歌唱における参加者の知覚の多くは、音程や音色に関するものだった。
声の振幅(大きさ)は、どちらのジェスチャーでも増加傾向を示した。

 


元ツイート:

 

 

 

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発話および歌唱における口腔・鼻腔バランスへの「voice focus」調整の影響

 

『発話および歌唱における口腔・鼻腔バランスへの「voice focus」調整の影響』

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31434082/

 

声の焦点を前方/後方に調整する訓練が、会話と歌唱における口腔-鼻腔間の音響的バランスに与える影響を、健常な男女10人ずつで調査した。


口音が主であるテキストの朗読と歌唱において、声の焦点を前方に置くと鼻音性が高まった。一方、焦点を後方に置くと、鼻音を含むテキスト及び音素的にバランスの取れたテキストの朗読と歌唱において、鼻音性が低下した。


口音が主であるテキストの朗読と歌唱において、声の焦点を前方に置くと鼻音性が高まった。一方、焦点を後方に置くと、鼻音を含むテキスト及び音素的にバランスの取れたテキストの朗読と歌唱において、鼻音性が低下した。
歌唱時に声の焦点を前方に置く条件では、女性より男性の方が鼻音性が高かった。


結論として、voice focusは、口腔-鼻腔間の音響バランスに影響を与え得ると考えられる。

 


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鼻中隔矯正術および鼻甲介肥大の縮小術を受けた患者における鼻声と声の知覚変化

 

『鼻中隔矯正術および鼻甲介肥大の縮小術を受けた患者における鼻声と声の知覚変化』

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34125283/

 

鼻中隔偏位及び下鼻甲介肥大による鼻閉症状のある患者60人の、鼻中隔矯正術及び下鼻甲介縮小術の後の声の変化などを、健常群25人と比較調査。


術前の患者群は対照群と比べてnasalance score(鼻音化率スコア)が有意に低く、VHIスコアが高かった。術後では共に改善(VHIはP)し、対照群との有意差は認められなかった。


術後に有意な鼻閉症状の改善とストレスレベルの軽減を示した患者は、声の質が日常生活に与える影響について肯定的に評価する傾向が強かった。


鼻音を含む課題テキストにおいて、鼻音化率スコアは全鼻腔容積と有意に相関した。一方で、口音と鼻音を含むテキストにおいては、鼻音化率スコアと総鼻腔抵抗,総最小断面積,鼻腔容積の変化との間には有意な関連は認められず、鼻音は他の因子により影響されることが示唆された。


閉鼻声は鼻中隔偏位及び鼻甲介肥大によって引き起こされる鼻閉塞に関連する声の特徴である。鼻中隔矯正術及び下鼻甲介縮小術は鼻腔共鳴を増強させる可能性があるが、この変化は長期的(6ヵ月時点)には充分に有意ではないと考えられた。


本研究で認められた鼻腔容積などの因子の変化は、本来であれば鼻音性に大きな変化を齎す筈であるが、必ずしもそうではないことは、おそらく口蓋機能による代償が生じていると考えられる。


先行研究では、口音や口音と鼻音を含むテキストの発声は、鼻腔構造よりも、口腔や口唇の形状や軟口蓋の位置に大きく依存することが示されている。


本研究の知見は、鼻中隔矯正術及び鼻甲介縮小術が音声の特性に及ぼす影響を懸念する歌手やプロの話し手など特定の患者にとって、臨床的に有意義なものとなる可能性がある。


nasalance score:口腔及び鼻腔から検出された音響エネルギーの合計に対する鼻腔からの音響エネルギーの比率を示したもの。全ての音が鼻から出る場合を100%、全く出ない(全て口腔から出る)場合を0%とする。


元ツイート:

 

 

 

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