huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。過去ツイも順次追加中。

局所アドレナリンによる鼻腔容積の増加が声に及ぼす影響

『局所アドレナリンによる鼻腔容積の増加が声に及ぼす影響』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

アドレナリンスプレーを噴霧して鼻粘膜を収縮させ鼻腔容積を拡大した前後の声を比較した。結果、アドレナリンスプレーは特に4500〜6000Hzの高周波帯域に影響を与え、知覚的に声を変化させた。


参加者:東京慈恵会医科大学附属病院耳鼻咽喉科を受診した患者51人

 


元ツイート:

 

 

この記事及び元ツイートは論文(の存在)を紹介するだけの簡単なものですので、詳しい内容についてはリンクから元の論文を参照してください。

小児発声障害:いつ受診すべきか

 

『小児発声障害:いつ受診すべきか』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

 

音声クリニックを受診した小児患者459人を分析。男児が272人(59.3%),女児が187人(40.7%)だった。初回来院時の平均年齢は8.6歳(2〜18歳)で、男児は女児より幼い年齢で発症する可能性が高かった。


男児は女児よりもCAPE-Vの総合的な重症度,粗糙性,努力性が高かった。pVHIスコアは性別による差は無かった。
283人の患者が評価前に一定期間の症状を自己申告した。評価前の症状の持続期間が長い小児は、CAPE-Vの総合的な重症度のスコアがより高かった。


音声障害が3ヵ月以上続く場合や、症状が重い場合は、小児音声クリニックへの受診を促すことを検討する必要がある。


先行研究では、小児における音声障害の有病率は研究ごとに大きく異なり、3.9%〜23%の範囲である。


Consensus Auditory-Perceptual Evaluation of Voice (CAPE-V)=音声障害に対する聴覚心理的評価:米国音声言語聴覚協会(ASHA)が開発した音声の聴覚心理的評価
Pediatric Voice Handicap Index (pVHI)=小児用音声障害自覚的評価尺度

 


元ツイート:

 

 

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声の健康に関するTikTokのコンテンツの品質,信頼性,正確性の評価

『声の健康に関するTikTokのコンテンツの品質,信頼性,正確性の評価』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

TikTok上の声の健康に関わる146の動画を評価。結果、殆どの動画は品質や信頼性が低く、正確性も中程度だった。


動画の人気度は品質,信頼性,正確性と無相関か負の相関があり、TikTokユーザーは低品質のコンテンツを視聴する可能性が高いことが示唆された。


動画の殆ど(94.5%)は臨床に携わる医師以外によって作成されており、耳鼻咽喉科医によって投稿された動画は2件(1.37%)のみだった。

 


元ツイート:

 

 

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伝統/アコースティック音楽プロジェクト:声に必要なものと声の健康に関する研究

 

『伝統/アコースティック音楽プロジェクト:声に必要なものと声の健康に関する研究』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

伝統(アコースティック)音楽の歌手に対し、テネシー大学のこのプロジェクトは、声の健康維持のために必要な情報や支援を提供することを目的としており、そのための調査が行われた。

 

また、このプロジェクトは、歌手に対してのみではなく、医師,言語聴覚士,歌唱指導者に対しても、歌手への適切なサービスを行えるようにするための情報を提供することも目的としている。

 

クラシックやポピュラー音楽の歌手と比べ、伝統(アコースティック)音楽の歌手は、声の健康管理の専門家との接点が少ないと考えられる。

 

尚、伝統(アコースティック)音楽の歌手は通常、楽器奏者も兼ねており、楽器を演奏しながら歌う際の歌声に求められるものは、歌唱のみ行う場合に求められるものとは全く異なることに留意が必要である。

 

テネシー州で行われたフォークフェスなどの会場で、その出演者である歌手270人からアンケートの回答が得られた。

 

歌手の41%は発声トレーニングを受けていなかったが、34%は何らかの形式の正式な発声トレーニングを受けていた。
41%が音声疲労を経験しており、30%は声の最高音域の喪失または全音域の喪失(発声不能)をキャリアの中で少なくとも1度は経験していた。

 

31%は健康保険に加入していなかった。
69%は、健康的な歌の練習方法についての情報は、音楽仲間のみから得ているか、もしくは全く情報を得ていないと報告した。


伝統音楽の音楽家は音声障害を発症するリスクがある集団であり、十分に研究されていないため、今後も継続的な研究が必要である。


調査対象となった伝統/アコースティック音楽:フォーク、ブルーグラスアメリカーナ、オールドタイム、ブルース、ジャズなど。

但し、今回調査された歌手は複数の音楽ジャンルの演奏を行うことを報告しており、それは上記に加えて、ロック、エスニック/ワールド、ポップ、ゴスペル、クラシック、スウィング、ソウルだった。

 


元ツイート:

 

 

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ブロードウェイの舞台裏:人口統計研究

 

『ブロードウェイの舞台裏:人口統計研究』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

ブロードウェイミュージカルの出演者135人の人口統計と発声習慣を調査。25%以上が声帯損傷の診断を受けていたが、音声の問題が原因で欠勤した日数は比較的少なかった(1.7〜4.7日/年)。


アンサンブル(主要キャストではない出演者)のメンバーは年齢が若く、主演者ほどキャリアが浅かった。
パフォーマンス前のウォーミングアップを行なっていたのは54.8%であり、クールダウンを行なっていたのは7.4%だった。


91%が定期的な飲酒を報告し、喫煙者は10.4%だった。23%が違法薬物の使用を報告した。


研究参加者:研究実施時(論文発表は2013年)に上演中だったブロードウェイミュージカルの7つのショーに出演していた135人のミュージカル歌手。

 


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メッサ・ディ・ヴォーチェ中の音圧レベルによる声道の寸法の動的変化

『メッサ・ディ・ヴォーチェ中の音圧レベルによる声道の寸法の動的変化』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

プロ歌手12人のメッサ・ディ・ヴォーチェ中のSPLの変化に伴う声道寸法の動的変化を、2D rMRIと音声録音によって分析した。


結果、SPLと、口唇の開き,顎の開き,咽頭の幅,口蓋垂の挙上の程度,喉頭の垂直位置との密接な関連が観察された。


メッサ・ディ・ヴォーチェ=messa di voce:一つのピッチ上での連続的なクレシェンドとデクレシェンドで構成される、声楽で用いられる発声テクニック。
2D rMRI=two-dimensional real-time magnetic resonance imaging

 


元ツイート:

https://twitter.com/huuchi/status/1770400531405832610

 

 

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ブロードウェイの女性のベルトの声の進化:教師と歌手への影響

 

『ブロードウェイの女性のベルトの声の進化:教師と歌手への影響』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

この研究はミュージカル女性歌手の、従来より高音域のベルト発声を、指導し発声させるための戦略を理解することを目的としている。


ブロードウェイミュージカルにおいて、以前は女性のベルト発声はC5の高さまでであったが、ここ10年余りでロック/ポップスの作品が急速に増え、女性のベルトの声域は過去70年間より大幅に変化し、現在ではF5までのベルトを要求されることがよくある。このC5以上の拡張は重要な変化である。


研究では、全国的に認められたミュージカルの発声教師4人と、その女性生徒17人へのインタビュー、及びプライベートスタジオでの教師と生徒の観察が行われた。


歌手と教師の間で、より高いベルトの音域を作る戦略について、狭母音による発声へのヘッドボイスの関与を増やしたり、話声のような声の質を維持したりすることなどに多くのコンセンサスが得られた。
歌手は、ミックスボイスによるアプローチで高音域のベルトの音を生成すると報告している。


教師は、女性歌手の声のタイプによって、高音域のベルト発声における歌手の能力の程度が決まるのではないかと示唆している。女性歌手の声の多様性を、教師は認識する必要があると言える。


*2015年に発表された論文です。

 


元ツイート:

 

 

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