huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。過去ツイも順次追加中。

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

クラシック歌唱における4つの異なる声門構成の調査ーパイロット研究

『クラシック歌唱における4つの異なる声門構成の調査ーパイロット研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov クラシックのバリトン歌手の4種類の歌声(A.ナイーブファルセット,B.カウンターテナーファルセット,C.リリカルチェスト(リリカルスタイル),D.フルチェスト)の…

音声外来に通う歌手の臨床的特徴

『音声外来に通う歌手の臨床的特徴』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 患者78人が対象。87%が女性。非プロ64%、プロ25%、学生11%。27%は合唱団員、22%はクラシック歌手。79%が歌声の発声障害があり、85%に声帯病変あり。声帯結節が最も一般的な症状(37%)で、次い…

歌のジャンルによらない音声症状からの音声負荷の独立性

『歌のジャンルによらない音声症状からの音声負荷の独立性』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ①クラシック/②ミュージカル(MT)/③クラシック及びMT/④CCMの主要4ジャンルで活動する歌手における、音声病理学的診断の経験と音声負荷の関連を調査。 ③クラシック&MT歌手…

音声障害に対する理学療法と補完療法の有効性:ランダム化比較試験の系統的レビュー

『音声障害に対する理学療法と補完療法の有効性:ランダム化比較試験の系統的レビュー』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov エビデンスレベルが一定以上のRCT論文8つ(マッサージ×6/経皮的電気神経刺激療法×1/脊椎手技療法×1/鍼治療×1)から、これらの治療法は音声障害…

発声中の後部声門閉鎖の内視鏡およびコンピュータ断層撮影評価

『発声中の後部声門閉鎖の内視鏡およびコンピュータ断層撮影評価』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov プロ歌手70人/非歌手20人の歌唱時の平均的な周波数を歌唱中の声帯を評価。後部声門の完全な閉鎖は62.5%の男性と52%の女性で観察され、61%のプロ歌手と35%の非歌…

CNFDS:発声障害がある歌手と声の症状がない歌手の分析

『CNFDS:発声障害がある歌手と声の症状がない歌手の分析』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 発声障害の歌手30人/非発声障害の歌手32人の頸部障害を比較。結果、発声障害の歌手はそうでない歌手と比べ、頸部の痛みと不快感が強く、より大きな頸部障害を示した。 CNF…

ピッチ変化におけるストラップ筋と輪状甲状筋の筋電図活動

『ピッチ変化におけるストラップ筋と輪状甲状筋の筋電図活動』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 上昇/下降グリッサンド歌唱中のCTとTH,ST,SHのEGMを全声域で記録。周波数制御の主力はCTであり、ストラップ筋の3筋は直接ピッチを作るのではなく、周波数の変化(グリッ…

合唱団メンバーのヴォイスレンジプロファイルに対するグリッサンドの有声舌トリル技法の効果:予備的研究

『合唱団メンバーのヴォイスレンジプロファイルに対するグリッサンドの有声舌トリル技法の効果:予備的研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ソプラノ/メゾソプラノ/アルト/テナー/バリトンの計25人に対する舌トリルの効果を検証。結果、2分及び5分の舌トリル後に…

音楽アンサンブルへの関与:性格特性と音楽経験

『音楽アンサンブルへの関与:性格特性と音楽経験 』 https://www.researchgate.net/publication/309474790_Music_Ensemble_Participation_Personality_Traits_and_Music_Experience 計608人の音楽家及び非音楽家のBigFive性格特性(外向性/協調性/誠実性/情…

行動学的に評価された共感精度と人及び音楽の感情共有の関係についての最初のエビデンス

『行動学的に評価された共感精度と人及び音楽の感情共有の関係についての最初のエビデンス』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 他者の感情を理解したり感じ取ったりする精度が高い人は、音楽によって伝えられる感情を理解したり感じ取ったりする精度も高い。大学生の…

クラシック歌唱中の鼻咽腔閉鎖の状態

『クラシック歌唱中の鼻咽腔閉鎖の状態』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ソプラノ歌手10人の歌唱/発話時の鼻咽頭閉鎖を調査。結果、鼻の気流/口腔内圧/鼻咽腔開存面積の推定値は、発話と比べ歌唱時で有意に大きく、全歌手で鼻音以外の音での鼻の気流が観察された…

健康な歌手の呼吸機能と発声維持に対する腹式呼吸訓練の効果

『健康な歌手の呼吸機能と発声維持に対する腹式呼吸訓練の効果』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 歌手37人への腹式呼吸訓練の効果を対照群と比較。結果、訓練後の実験群は対照群とは大幅に異なり、呼吸機能(FVC,FEV1,FEV1/FVC,PEF)に有意な改善が見られた。また、…

ブルガリア女性の歌唱スタイルで用いられる共鳴戦略:パイロット研究

『ブルガリア女性の歌唱スタイルで用いられる共鳴戦略:パイロット研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ブルガリア女性歌唱のテシュカ/レカと呼ばれる発声と西洋の発声の特徴を調査。テシュカ/レカ発声時には母音のR1をH2に近いところで調整していた。これはブル…

模擬的円背姿勢が呼吸機能と随意的咳嗽力に与える影響

『模擬的円背姿勢が呼吸機能と随意的咳嗽力に与える影響』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/47/1/47_11651/_pdf/-char/ja 円背は胸郭可動性の低下、呼吸筋力の低下、肺活量の低下、そして最長発声持続時間(発声能力の指標)の短縮を引き起こす…

MRIで調査された、声の構造、気道、および頭頸部の姿勢の関係

『MRIで調査された、声の構造、気道、および頭頸部の姿勢の関係』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 男女5人ずつの頭頸部の声に関連した各所をMRIで計測。気道サイズ(舌骨頚椎間距離)の増加は、頭蓋底から舌骨/喉頭/喉頭蓋先端/口蓋垂先端までの距離の増加、及び下顎…

咽頭気道空間(PAS)に対する頭位の影響

『咽頭気道空間(PAS)に対する頭位の影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 頭頸部の傾斜と咽頭気道空間の関係を鼻呼吸&正常咬合男性7人/女性3人で調査。結果、頭部伸展による頭頸部の傾きとPASに相関有。C2における頭頸部の傾斜が10度またはC3-Me距離が10mm増加す…

個人およびアンサンブルの歌唱に対するジェスチャーの高さの影響

『個人およびアンサンブルの歌唱に対するジェスチャーの高さの影響』 https://diginole.lib.fsu.edu/islandora/object/fsu:254463 一定以上の音楽歴のある歌手48人に対する、指揮者のジェスチャーの位置の高さによる影響を調査。結果、ジェスチャーの位置が…

予測される歌手の声帯の長さと声の分類-X線形態学的測定の研究

『予測される歌手の声帯の長さと声の分類-X線形態学的測定の研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ドレスデン音楽大学の学生132人をX線で測定し声帯長を予測(29人は声帯長を直接測定)。 平均声帯長:ソプラノ14.9mm メゾソプラノ16.0mm アルト16.6mm テナー18.4…

古い神話:正しい歌声分類予測の実否

『古い神話:正しい歌声分類予測の実否』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 喉頭鏡検査と高解像度コンピューター断層撮影HRCTによってプロのソプラノとアルトの喉頭を分析し、加えて音声学者及び喉頭専門医が喉頭鏡画像によって声種を予測できるかを評価。結果、画像…

MRIを用いた喉頭容積測定における性的二型

『MRIを用いた喉頭容積測定における性的二型』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov <甲状披裂筋の平均的サイズの男女別一覧> 長さ 男性:右2.44cm 左2.50cm 女性:右1.70cm 左1.72cm 幅 男性:右0.68cm 左0.68cm 女性:右0.59cm 左0.57cm 高さ 男性:右1.05cm 左1.05…

プロ歌手の声帯長のリアルタイム超音波検査による評価

『プロ歌手の声帯長のリアルタイム超音波検査による評価』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov テナーとソプラノのプロ歌手の声帯長(前交連-披裂軟骨声帯突起間)を測定。 テナー/ソプラノの平均声帯長(cm)吸気時 1.71/1.35呼気時 1.56/1.17安楽発声時 1.70/1.42最…

音楽と長寿

『音楽と長寿』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 著名音楽家8775人の寿命に関する研究。・長寿TOP3(男性):指揮者(71.1歳),チェロ奏者(70.0歳),ヴァイオリン奏者(70.0歳)・長寿TOP3(女性):ハープ奏者(80.9歳),クラヴサン奏者(79.9歳),指揮者(79.6歳)・女性はどのカ…

ヒトの輪状披裂関節の退行性変化

『ヒトの輪状披裂関節の退行性変化』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 42-98歳の21人の輪状披裂関節を分析。結果この年代以降で特有の退行性変化(後述)が観察された。この変化は披裂軟骨の位置や動きを損ない、声門閉鎖の程度と範囲の低下、声の質や強さの低下など…

輪状甲状関節の解剖学的および機能的側面:屍体研究

『輪状甲状関節の解剖学的および機能的側面:屍体研究』 https://researchgate.net/publication/313627638_Anatomical_and_functional_aspects_of_cricothyroid_joint_A_cadaveric_study (1)胎児/新生児/小児/成人の計250の輪状甲状関節の関節面を調査。甲状…

音声治療に用いられる発声方法による顔面皮膚振動パターンの変化*:言語聴覚士を対象にした計測

『音声治療に用いられる発声方法による顔面皮膚振動パターンの変化*:言語聴覚士を対象にした計測』 https://konan-u.ac.jp/hp/kitlab/pub/asj201809_nk.pdf “semi-occluded vocal tract exercise(半遮蔽声道エクササイズ)と呼ばれる発声法の一種”“各発声法…

声楽家の歌唱時の皮膚振動計測 

『声楽家の歌唱時の皮膚振動計測』 https://konan-u.ac.jp/hp/kitlab/pub/asj201209.pdf 母音/i/歌唱時に鼻周辺と頬の振動速度が/a/と比べ大きい傾向、口腔内圧を反映していると推測される。高音の裏声発声では額と頬の振動が大きく、鼻周辺は小さい。地声は…

スキャニング型振動計を用いた発声時の顔面の振動速度パターンの測定

『スキャニング型振動計を用いた発声時の顔面の振動速度パターンの測定』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/ast/33/2/33_2_126/_pdf 母音/a/では口の周りが他より大きく振動、鼻の振動は少し。鼻子音/N/では鼻とその周辺が大きく振動、額もある程度振動…

スキャニング型レーザードップラ振動計による歌唱時の顔面振動パターンの非接触計測

『スキャニング型レーザードップラ振動計による歌唱時の顔面振動パターンの非接触計測』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov プロのソプラノ歌手3人の歌唱時の額の振動を計測。高い声(数字が大きい)ほど額の振動が大きい(赤に近いほど振動が大きく、青に近いほど振…

ラインケ浮腫の男性における性ホルモンの血清レベル

『ラインケ浮腫の男性における性ホルモンの血清レベル』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ラインケ浮腫(RE)の男性56人のエストラジオール/プロゲステロン/テストステロンの血中濃度を健常男性48人と比較。結果、RE男性はテストステロン/プロゲステロンのレベルが有…

歌唱における異なるラウドネス条件での声道調音器官の形態学的差異

『歌唱における異なるラウドネス条件での声道調音器官の形態学的差異』 journals.plos.org プロ歌手12人の母音/a/での音階の上行形の歌唱時の声道をMRIで観察。ピッチとラウドネスの変化の双方で、調音(構音)も変化した。喉頭位置はピッチ上昇と共に上がるが…