huuchiの音楽論文案内

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クラシック歌唱における4つの異なる声門構成の調査ーパイロット研究

 

『クラシック歌唱における4つの異なる声門構成の調査ーパイロット研究』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

クラシックのバリトン歌手の4種類の歌声(A.ナイーブファルセット,B.カウンターテナーファルセット,C.リリカルチェスト(リリカルスタイル),D.フルチェスト)の発声時の声門を調査。


A.ナイーブファルセット
後部声門:僅かに開く
声帯突起:声帯と共に振動
粘膜波動:著しく短い

 

B.カウンターテナーファルセット
後部声門:閉じる
声帯突起:断続的に声帯と共に振動,又は圧迫
粘膜波動:著しく短い

 

C.リリカルチェスト(リリカルスタイル)
後部声門:辛うじて開く
声帯突起:声帯と共に振動  
粘膜波動:中庸

 

D.フルチェスト
後部声門:閉じる
声帯突起:振動せず
粘膜波動:長い


これらの声は、①後部声門の内転と②声帯の肥厚を個別に操作することにより生成されたことが示唆された。
①と②の生理学的パラメータは、声門内転の2つのタイプを提示した。1つは膜性内転(声帯筋により調節可能)、もう一つは軟骨性内転(輪状披裂筋及び披裂筋により調節可能)である。


レジスタと声門形状に基づいて、Aは外転ファルセット、Bは内転ファルセット、Cは外転チェスト、Dは内転チェスト、と捉えることができる。
今回の結果は歌唱において、披裂軟骨の声帯突起の内転が、レジスタとは別の声質制御のパラメータとして、積極的に使用されていることを示唆している。


研究参加者(著者。声楽教育学の学位を持ち、クラシック歌唱経験が15年以上のバリトン)によるサンプル音声:
https://asa.scitation.org/doi/full/10.1121/1.3057860
※この中の「Mm. 1.」で再生できます。「Mm. 2.」では映像が見られます。

 


元ツイート:

 

 

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