huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。過去ツイも順次追加中。

2023-01-01から1年間の記事一覧

専門医を悩ませる高齢疾患への対応ー声帯萎縮症ー

『専門医を悩ませる高齢疾患への対応ー声帯萎縮症ー 』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/123/6/123_528/_pdf “咽喉頭の加齢変化は50歳前後から起こり,最初は粘膜の繊毛機能低下や粘液産生低下により咽喉頭の乾燥や痰がらみが起こる” “声帯…

性ホルモンがヒトの音声生理に及ぼす影響:小児期から老年期まで

『性ホルモンがヒトの音声生理に及ぼす影響:小児期から老年期まで』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ヒトの声に対する性ホルモンの影響に関するレビュー論文。小児期、思春期、月経、妊娠、老年期のそれぞれの時期や状態で起こる性ホルモン関連の声の変化を解説す…

成人の声帯長の測定

『成人の声帯長の測定』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 撮影された声帯と定規の画像を同じ倍率で処理し、成人165人の声帯長を測定。神経遮断麻酔下の100人の声帯長は、男性14.6mm,女性11.1mmだった。全身麻酔下の65人の声帯長は、男性15.3mm,女性13.5mmだった。 …

年齢に応じた真声帯の成長の評価

『年齢に応じた真声帯の成長の評価』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 年齢に伴う声帯の長さの変化を評価するため、生後1ヶ月〜20歳までの205人(女性87人,男性118人)の声帯全長(TVFL),膜様部声帯長(MVFL),軟骨部声帯長(CVFL)を測定し膜様部対軟骨部(M/C)比を計算し…

本態性音声振戦症の臨床的特徴:34例の研究

『本態性音声振戦症の臨床的特徴:34例の研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 本態性音声振戦症について患者34人を対象とした記述的臨床コホート研究。患者の93%は女性だった。振戦は60歳代(62.9+/-15.0)に始まるのが典型で、診察時点で平均6.7年の間症状が存在…

上顎と下顎の長さ及び矢状方向の突出と基本周波数との相関

『上顎と下顎の長さ及び矢状方向の突出と基本周波数との相関』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov F0と上顎と下顎の長さ及び突出との相関関係を健常者45人で調査。F0及び話声位と上顎及び下顎の長さには中程度の負の相関関係があった。その他のパラメータはF0及び話声…

歌声:ボーカルウォームアップ及びクールダウン後の音響パラメータ

『歌声:ボーカルウォームアップ及びクールダウン後の音響パラメータ』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ウォームアップとクールダウンの歌声への影響を女性歌手32人で調査。クールダウン後にはF0の減少が見られ、これはクールダウンが声の回復を助け、声帯の緊張の…

ヒトの喉頭の形と大きさの思春期後の発達の軌跡

『ヒトの喉頭の形と大きさの思春期後の発達の軌跡』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 男女105人ずつのCT画像から甲状軟骨の3次元再構成を行い、性別,年齢,BMI,身長が、甲状軟骨のサイズと形に及ぼす影響を分析。 男性では、年齢のみが強い影響を示した。高齢男性は…

舌骨上筋の速筋線維のトレーニングにおける高速開口運動

『舌骨上筋の速筋線維のトレーニングにおける高速開口運動』https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29403269/ 嚥下機能改善のための舌骨上筋の速筋を標的とした高速開口運動の有効性を、嚥下障害関連症状のある参加者21人で調査。結果、トレーニング実施後に安静…

舌圧レジスタンストレーニングは舌と舌骨上筋の機能を同時に改善する

『舌圧レジスタンストレーニングは舌と舌骨上筋の機能を同時に改善する』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 舌の機能を高めることが先行研究で示されている舌圧レジスタンストレーニング(TPRT)の、舌骨上筋への効果を老嚥患者18人で調査。結果、TPRTは舌の強さ,舌の…

呼吸のネットワーク.横隔膜の多機能的役割:レビュー

『呼吸のネットワーク.横隔膜の多機能的役割:レビュー』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 横隔膜に関するレビュー論文。横隔膜には複数の機能があり、体全体に多くの解剖学的つながりを示し、呼吸のネットワークを形成している。この研究では、呼吸に関する全ての…

披裂喉頭蓋筋の加齢変化

『披裂喉頭蓋筋の加齢変化 』 https://journals.sagepub.com/doi/10.1016/j.otohns.2010.06.418 披裂喉頭蓋筋の加齢変化を、喉頭疾患の病歴の無い成人20人で調査。非高齢者群では披裂喉頭蓋筋が喉頭蓋から披裂軟骨に伸びていたが、高齢者群では筋が観察でき…

音楽の創造性と自殺

『音楽の創造性と自殺』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ①詩人などの文学的芸術家,②画家などの視覚芸術家,③音楽家の、精神障害の有病率の代理として自殺率を使用し、19〜20世紀に死亡した4,564人の著名芸術家の自殺による死亡率を調査。結果、音楽家は他の芸術家グ…

ポピュラーミュージシャンの平均寿命と死因:ポピュラーミュージシャンのライフスタイルは破滅への道か?

『ポピュラーミュージシャンの平均寿命と死因:ポピュラーミュージシャンのライフスタイルは破滅への道か?』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 1950〜2014年に死亡したポピュラーミュージシャン13,195人の死亡率,死因,音楽ジャンル等を調査。全年齢平均で、Pミュー…

高齢者の心身の状態に歌がもたらすベネフィットの可能性

『高齢者の心身の状態に歌がもたらすベネフィットの可能性 』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 高齢者の口腔状態,精神の健康,免疫に対する歌の効果を60歳以上の参加者44人で調査。結果、歌唱後に唾液量が増加し、ストレスマーカーであるコルチゾールのレベルが低下…

声帯内転と固有振動数の制御における甲状披裂筋と外側輪状披裂筋の相互作用

『声帯内転と固有振動数の制御における甲状披裂筋と外側輪状披裂筋の相互作用』 www.ncbi.nlm.nih.gov 甲状披裂筋(TA)と外側輪状披裂筋(LCA)が声帯の内転と振動数の変化に与える影響を3D有限要素モデルで調査。 結果、LCA収縮では披裂軟骨の下内側への揺動運…

月経前音声症候群の概要:定義,治療,今後の経過

『月経前音声症候群の概要:定義,治療,今後の経過』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 歌手の月経前音声症候群(PMVS)に関するレビュー論文。ホルモンの変動は声の質,敏捷性,スタミナを損ない、酷い場合には歌手のキャリアを損なう可能性がある。 PMVSは月経のある…

MRIを用いた3つの成人集団における口蓋帆咽頭及び関連する頭骨測定寸法の人体計測分析

『MRIを用いた3つの成人集団における口蓋帆咽頭及び関連する頭骨測定寸法の人体計測分析』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 口蓋帆挙筋,軟口蓋,頭蓋顔面構造について、白色人種/黒色人種/アジア系(日本人)の3つの人種グループの成人88人で調査。口蓋の幅、長さ、高…

喉頭微細手術後の声の安静期間の違いが音声機能に与える影響:系統的レビュー及びメタ解析

『喉頭微細手術後の声の安静期間の違いが音声機能に与える影響:系統的レビュー及びメタ解析』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 喉頭微細手術後の声の安静期間が7日未満/以上の患者112人を比較。結果、VHI,MPT,ピッチの揺らぎ,振幅の揺らぎは同程度だった。 良性病…

朝の声のウォームアップ戦略としての蒸気及び/又はSOVTE

『朝の声のウォームアップ戦略としての蒸気及び/又はSOVTE』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 朝のウォームアップにおける①蒸気を3分吸って吐く,②SOVTE,③①と②併用の、発声閾値圧(PTP)に対する有効性を評価。PTPの減少+SPLの増加=発声効率の向上(の可能性)を示し…

筋線維タイプの組成と声帯固定化がヒト後輪状披裂筋の2つの区画に与える効果:患者4人の事例研究

『筋線維タイプの組成と声帯固定化がヒト後輪状披裂筋の2つの区画に与える効果:患者4人の事例研究』 ncbi.nlm.nih.gov 後輪状披裂筋(PCA)の水平部と垂直部の2腹の筋線維タイプを、喉頭全摘術を受けた患者4人(2人は正常に動く声帯,2人は片側声帯不動)から切…

ヒト甲状披裂筋の筋線維タイプの加齢に伴う変化:共焦点レーザー顕微鏡を使用した免疫組織化学的および立体解析学的研究

『ヒト甲状披裂筋の筋線維タイプの加齢に伴う変化:共焦点レーザー顕微鏡を使用した免疫組織化学的および立体解析学的研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 甲状披裂筋の加齢に伴う筋繊維タイプ毎の変化を調査。結果、加齢と共にtype1(遅筋)繊維が優先的に27%減少…

野生のオランウータンは,鳴き鳥やヒューマンビートボクサーと同じように,2つの独立した音声音源を同時に使用できる

『野生のオランウータンは,鳴き鳥やヒューマンビートボクサーと同じように,2つの独立した音声音源を同時に使用できる』 academic.oup.com 野生のオランウータンは、ヒューマンビートボックスに調音的に似た、2つの音の組み合わせによる音声を発することが…

喉頭に対する関節リウマチの影響

『喉頭に対する関節リウマチの影響』 ncbi.nlm.nih.gov 関節リウマチ(RA)患者50人と対照群63人を比較調査。結果、RA患者は対照群と比べて、ラインケ浮腫が多く,声帯の肥大が多く,上皮の変性が多く,披裂部の非対称性の動きが多く,披裂部の重なる動きが多く,声…

振動刺激は甲状腺上皮細胞の機能を高める

『振動刺激は甲状腺上皮細胞の機能を高める』 www.ncbi.nlm.nih.gov 発声による振動刺激が甲状腺に与える影響を、ラットの甲状腺細胞(FRTL-5)で調査。結果、振動を受けたFRTL-5は代謝機能が高まり、活性酸素種産生が増加し、サイログロブリンとナトリウムヨ…

対乳児歌唱は生後1年間、乳児の大人の口への選択的注意を強化する

『対乳児歌唱は生後1年間、乳児の大人の口への選択的注意を強化する』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 対乳児歌唱が歌唱者の口元への乳児の注意(発話及び言語発達に関わる)を高めるかどうかを、定型発達の乳児299人で調査。結果、対乳児発話よりも対乳児歌唱の方が…

様々なタイプの演奏不安の分類

『様々なタイプの演奏不安の分類』 ncbi.nlm.nih.gov 演奏不安(所謂あがり症)のタイプをプロ及びセミプロ音楽家532人で調査。結果、以下の3つのタイプの存在が示唆された。 タイプ1:演奏中の演奏不安が殆ど無く、充分に発達した自己効力感と機能的対処力を…

若い音楽家の音楽演奏に対する不安:クラシック音楽とポピュラー音楽の演奏の比較

『若い音楽家の音楽演奏に対する不安:クラシック音楽とポピュラー音楽の演奏の比較』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov クラシック/ポピュラー音楽学校生(7〜20歳)の演奏不安(MPA≒あがり症)を調査。7〜16歳のクラシック音楽家のMPAは高値だった。ポピュラー音楽家は…

乳幼児への母親と父親の歌

『乳幼児への母親と父親の歌』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 親が乳幼児の我が子に対して、①実際に子を目の前にして歌った歌と、②その場面を想定して(シミュレート)歌った歌を、育児や音楽の経験及び文化背景が異なるリスニング評価者に評価させたところ、評価者…

男性と女性の発声の違いに対する喉頭サイズの寄与

『男性と女性の発声の違いに対する喉頭サイズの寄与』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 声帯の長さ,厚さ,深さ(図のL,T,D)の性別と年齢に関連した違いが、声の生成に及ぼす影響を3D声帯モデルで調査。成人男性,成人女性,子供の声の出し方の違いは、長さと太さの違…