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呼吸のネットワーク.横隔膜の多機能的役割:レビュー

『呼吸のネットワーク.横隔膜の多機能的役割:レビュー』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

横隔膜に関するレビュー論文。横隔膜には複数の機能があり、体全体に多くの解剖学的つながりを示し、呼吸のネットワークを形成している。この研究では、呼吸に関する全ての機能についても説明している。


横隔膜は姿勢制御にも重要で、血管系やリンパ系に大きな役割を果たしている。嚥下,嘔吐,胃食道逆流防止への寄与など、胃食道機能にも大きく関与している。
神経学的には、横隔膜の機能不全は口腔底部(嚥下障害又は睡眠時無呼吸)だけではなく頸部や目の領域の症状を引き起こす可能性がある。


腹腔内圧の制御には骨盤底による呼吸のサポートが必要で、横隔膜が下がると、それに対応して骨盤底も下がることが観察されている。


‘the diaphragm is one of the most remarkable areas of the body in that it has so much influence and the consequences of its dysfunction can manifest anywhere from the head to the toes’
(訳:横隔膜は非常に大きな影響力を持ち、その機能不全の結果は頭からつま先までのどこにでも現れるという点で、体の最も注目すべき領域の1つである。)


横隔膜は胸腔と腹腔を隔てる厚さ2〜4mmのドーム型の骨格筋である。右横隔膜のドームは左よりわずかに高く第5肋骨の上縁と同じ高さで、左は第5肋骨の下縁に達し、2つのドームの間の腱は胸骨剣結合(胸骨体と剣状突起の接合部)のレベルである。


息を完全に吐き出すと、横隔膜のドームは第4肋間のレベルまで上昇する。息を完全に吸い込むと、胸腔は前方は肋骨下縁、後方は第12肋骨のレベルまで下がる。


横隔膜の外側弓状靱帯は、解剖学書では通常は第1腰椎(L1)に付着するとされているが、屍体研究では第2腰椎(L2)または第3腰椎(L3)に付着している例も見つかっている。


横隔膜が姿勢制御に寄与する間接的な証拠を見つけた最初の研究は、Skladalらによる1969年のものである。その研究では、つま先で立ち上がる際に、腹直筋の収縮に先立って横隔膜が収縮することが明らかになった。


横隔膜が姿勢制御に寄与する直接的な証拠は、Hodgesらによって実証された。彼らの研究で、横隔膜の筋電図活動が、対側上肢の運動に関わる筋の活動の前に増加していたことが示された。


体を安定させるために横隔膜を収縮させる能力が限られている人は、腰痛を発症する可能性が高い。腰痛のある人は、健常者に比べて横隔膜の動きが半分しかないことが実証されている。腰痛がある人は吸気筋負荷後に大きな横隔膜疲労を示したが、健常者では観察されなかった。


心膜と横隔膜は横隔心膜靱帯によって接続されているため、横隔膜の動きが不足すると、心臓の収縮性と全身の血液循環が低下する可能性がある。横隔膜の収縮が大きくなると、静脈還流が純増し、心臓の一回拍出量も増加する。


人体の全リンパ節の約60%が横隔膜の直下にあるため、横隔膜はリンパポンプの役割を果たしている。


横隔膜呼吸(腹式呼吸)を定期的に実践すると、虚血性心疾患患者の心拍変動が大幅に改善され、予後が良好になる。


横隔膜は2つの腔所の間の部分または障壁としてではなく、全身のシステムの一部として見られるべきである。

 


元ツイート:

 

 

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