『輪状甲状関節ー構造の異なるタイプに関する機能的側面』
50の死体標本の100の輪状甲状関節(CTJ)の、形態学的及び機能解剖学的構造を明らかにした。使用された標本は、女性25人,男性25人。
輪状甲状関節の軟骨表面は、MaueとDicksonによる3タイプ(A.明確な関節面.B.不明確な関節面,C.平ら又は隆起した軟骨表面)に分類され調査された。
輪状甲状関節は、回転運動だけではなく、関節面のタイプに応じて、水平及び垂直の滑走運動が可能だった。
明確な関節面と密な関節包を持つタイプAは非常に安定しており、他のタイプと水平垂直の両方向の滑走距離に顕著な違いがあった。緩い結合組織を持つタイプBは、最も滑走しやすかった。
男性のCTJの3分の2は、滑走可動性が低いAタイプの間接だったが、女性のCTJのほぼ半数は、より可動性の高いタイプB及びCだった。滑走可動性は、統計的に女性のCTJの方が大きく、それは水平方向で顕著だった。
標本の3分の2は左右の輪状甲状関節が同じタイプだったが、3分の1では非対称だった。
〈CTJの滑走距離〉
水平方向(Horizontal AB)の可動距離は、全平均で3.8mm、女性の関節タイプAは3.5mm,Bは5.3mm,Cは5.3mm、男性の関節タイプAは2.6mm,Bは4.6mm,Cは4.9mm。
垂直方向(Vertical AB)の可動距離は、全平均で3.3mm、女性の関節タイプAは2.5mm,Bは5.1mm,Cは3.6mm、男性の関節タイプAは2.4mm,Bは5.2mm,Cは4.0mm。
〈CTJの回転性〉
Cricothyroid Space(図のB'D'間の距離)の女性の最小値は5.0mm,最大値は11.6mmだった(差6.6mm)。男性の最小値は3.8mm,最大値は13.0mmだった(差9.2mm)。
図のE'F'間の距離は、女性の最小値は20.3mm,最大値は29.3mm、男性の最小値は29.5mm,最大値は39.1mmだった。
輪状軟骨上のCTJの位置は男女で大きく異なり、男性はより後方に位置する。これは先行研究と完全に一致している。
男性から女性へのトランスセクシャルの音声外科手術後の、治療上の長期的な問題である声帯の弛みは、これまで過小評価されていたCTJの可動性、特に滑走運動によって引き起こされる可能性がある。その場合、この研究結果を参照した上での音声外科的手法が、この問題を解決できる可能性がある。
元ツイート:
輪状甲状関節ー構造の異なるタイプに関する機能的側面 https://t.co/dcrcjUpvam
— 風地@毎日音楽の話を(も)しています (@huuchi) 2023年10月30日
50の死体標本の100の輪状甲状関節(CTJ)の、形態学的及び機能解剖学的構造を明らかにした。使用された標本は、女性25人,男性25人。 pic.twitter.com/V2idBS32Wt
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