huuchiの音楽論文案内

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歌唱トレーニングと演技経験が声質と感情の真実性の尺度に与える影響

 

『歌唱トレーニングと演技経験が声質と感情の真実性の尺度に与える影響』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

歌唱と演技の経験の量と、男性の歌声の音響と知覚との関係を、2つの実験で調査した。

実験1では、演技経験のある男性歌手12人の、5種類の感情(※)で歌った音声を録音し、ピッチ精度,ジッタ,HNRを調べた。ピッチ精度の低下とジッタの増加は声質の低下を示し、演技経験年数の増加と関連していたが、ピッチ精度の向上は歌唱レッスンの経験年数の増加と関連していた。


※研究参加者の歌手は、穏やか,幸せ,悲しみ,怒り,恐れの5つの感情を、それぞれの感情の表れ方が普通か強いかの2通りで、短いフレーズで歌うことを求められた。


この結果から、演技経験豊富な歌手が示す音響的逸脱(ピッチのズレなど)は、感情表現の真実性(本当らしさ)を高めるための意図的なテクニックであるという仮説を立て、次の実験2を行った。


実験2では歌手の歌声の感情の真実性をリスナーが評価した。演技経験年数が長い歌手の歌声は、短い歌手の歌声より真実性が高いと評価された。
尚、真実性の高さと歌唱レッスン経験に関連は見られなかった。


ピッチの正確性が低下し、ジッタが増加し、HNRが高くなると、歌声における感情の真実性が増す。これらのことは、演技経験の長い男性歌手は、歌唱パフォーマンスでのピッチの正確さや声の質よりも感情の真実性を重視する、という優先順位の変化を表している可能性がある。


これらの結果は、リスナーに対する感情的な真実性を高めようとしているパフォーマーの歌唱教育に関連すると考えられる。

 


元ツイート:

 

 

 

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