huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。過去ツイも順次追加中。

ヒールの高さが女性歌手の頭の位置、長時間平均スペクトル、および知覚に及ぼす影響

 

『ヒールの高さが女性歌手の頭の位置、長時間平均スペクトル、および知覚に及ぼす影響』

sciencedirect.com

 

 

ハイヒールの女性ソロ歌手30人を調査。裸足と比べハイヒールでの歌唱は、全歌手で頭頸部が後下方に位置した。スペクトルにも差が有り。70%の歌手は、裸足の際に最高の歌を歌えたと述べた。


使用したのはヒールの高さ10.16 cmのスティレットハイヒール(≒ピンヒール)。①裸足で立つ②裸足で歌う③ヒールで立つ④ヒールで歌う、の姿勢の違い:①③と比べ②④の歌う時に頭頸部は前上方へ動く。また①→②よりも③→④の方が前上方への動きが増加(③が最も頭頸部が後下方にあるためか)。


※3枚目の画像の色枠と♪マークは、分かりやすいように改変させていただいた(付け加えた)ものです。

 


ツイート主による余談1:
同研究者の他の研究では、ハイヒールでの歌唱で歌手は呼吸サポートの低下を感じると証言。ハイヒールを履くと酸素の消費量と心拍数が増えることも示されている。また、高音を出す際に頭の位置は前上方に位置し顎が開きやすくなるため、ハイヒールでの歌唱は高音が出にくくなる可能性が考えられる。


ツイート主による余談2:
同研究者の以前の研究では、低・中・高の3種類のヒールの高さを比べて、高くなるほど頭の位置は後下方だったようなので、ヒールは低ければ低いほど、歌いやすくなる可能性があるかもと思います。無論、個人差や慣れによる影響もありますので、高いヒールでもある程度以上歌える人は居るでしょう。
具体的にはこれまでに、ヒールの高さが「2.17cm以下、2.54〜6.35cm、6.35cm以上 ※」と「0cm、3.81cm、7.62cm ※」の、それぞれ3種類ずつ調べた以下の2つの研究があります(※インチ表示をcmに変換しました)。どちらも英語ですがPDFがDLできます(2021年6月15日現在)。

 

女性の歌唱パフォーマンスの姿勢、音響、知覚の測定値に対する靴のヒールの高さの影響:集合的なケースパイロット研究

The Effects of Shoe Heel Heights on Postural, Acoustical, and Perceptual Measures of Female Singing Performances: A Collective Case Pilot Study https://journals.library.mun.ca/ojs/index.php/singing/article/view/1036

 

ヘッドオーバーヒールズ:大学の声楽専攻の女性学生の姿勢と音響の測定値に対する3種類のヒールの高さの影響、およびヒールの高さ、ピッチ、母音、動作、頭の位置、顎の開き、およびdB SPLの間の測定された関係

HEAD OVER HEELS: THE EFFECTS OF THREE HEEL HEIGHTS ON POSTURAL AND ACOUSTICAL MEASURES OF UNIVERSITY FEMALE VOICE MAJORS, AND MEASURED RELATIONSHIPS BETWEEN HEEL HEIGHT, PITCH, VOWEL, BEHAVIOR, HEAD POSITION, JAW OPENING, AND DB SPL https://kuscholarworks.ku.edu/handle/1808/19434

 


元ツイート:

 

 

この記事及び元ツイートは論文(の存在)を紹介するだけの簡単なものですので、詳しい内容についてはリンクから元の論文を参照してください。