huuchiの音楽論文案内

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発声努力の自己認識に対する頭の位置および/または姿勢の影響

 

『発声努力の自己認識に対する頭の位置および/または姿勢の影響』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26778325/


音声疲労や、ひいては音声障害に繋がる発声努力について、頭の位置や姿勢との関連を健康な成人46人で調査。結果、大きく前方及び後方に配置された頭の位置は、発声努力レベルの有意差を示した。


参加者は6つの姿勢(参加者の習慣的な立ち方及び座り方、大きく前方及び後方に配置された頭部、膝を伸ばして固定または膝をやわらかく(固定せず)立った姿勢)のそれぞれで、出しやすいピッチと音量で母音アを5〜10秒持続発声するよう求められた。


自己認識の発声努力レベルは、発声者が100mmの視覚的アナログスケール(0〜40は努力レベル(小)、40〜60は努力レベル(中)※普段と同程度の努力、60〜100は努力レベル(大))を使用して評価を行った。


発声努力の平均スコア

座位+習慣的な頭の位置:34
座位+頭の前方配置:52
座位+頭の後方配置:57

立位+習慣的な立ち方:38
立位+膝を固定した立ち方:43
立位+膝を固定しない立ち方:34


この研究の結果は、姿勢が発声努力に影響を与える可能性があることを強く示唆し、姿勢や頭の位置などのバランスの微妙な変化でさえ、喉頭の動きの効率に大きな影響を与える可能性があるという、他の最近の研究結果とも一致している。


参加者:過去1年以内に音声に問題がなかった成人46人(男性13人,女性33人)

 


Nicola A. Miller他の先行研究:
ピッチ上昇時の頚椎後彎の増加は、気道の短縮,喉頭・舌骨・口蓋帆の上昇,喉頭ー胸骨間の距離の増加,喉頭ー舌骨間の距離の減少と関連していた。
その逆、ピッチ下降時の頚椎前彎の増加は、気道の延長,喉頭・舌骨・口蓋帆の降下,喉頭ー胸骨間の距離の減少,喉頭ー舌骨間の距離の増加と関連していた。
また、ピッチ変化中に頚椎が後彎から前彎に移動すると、喉頭ー胸骨間の距離の増加だけではなく、喉頭とメントン(下顎骨の最下点)の間の距離も減少することを発見した。
尚、これらの発見はP.G.C.Kooijman他による以前の研究と一致している。


A. NACCI他の先行研究:
頚椎全体と頸部領域の不整合またはねじれの不均衡は、舌骨の位置に直接影響し、間接的には喉頭の位置にも影響する。

 


元ツイート:

 

 

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