huuchiの音楽論文案内

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音声障害の行動学的治療─言語聴覚士による音声障害の治療─

 

『音声障害の行動学的治療─言語聴覚士による音声障害の治療─』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibirin1925/100/9/100_9_697/_pdf/-char/ja

 

 

アメリカでは,すでに1930年代から音声障害に関する体系的な記述が言語聴覚士用のテキストに掲載”“国内では1980年代からアメリカの音声障害のテキストの翻訳や学会発表がようやく散見されるようになった”


言語聴覚士による音声治療は発声行動の変容法であり,心理学でいう「学習理論」に基づいて新しい発声法を獲得させると言い換えることができる.つまり,「望ましい発声」という運動をどのようにして再学習させるかという「運動学習」である”


“効果的な音声治療を行うには,5つのRを考えることが重要である.5つのRとは,(1)Rightclient(音声治療の適応),(2)Rightvoicetherapy(適切な治療技法),(3)Righttime(音声治療の開始と終了時期),(4)Rightdose(練習頻度と回数),(5)Rightroute(適切な指導方法)である”


“Verdolini 7)は,濫用や誤用という用語は循環定義であるとして,"phonotrauma"(いわゆる音声外傷)という用語を提唱”“度重なる刺激による不可逆的な声帯粘膜の損傷を指しており,度重なる刺激となる発声法が問題なのである.したがって,今まで使ってきた声の濫用や誤用と単純には置き換えられない”


“さらに著者は,舌を左右口角に接触するようにできるだけ早く交互に動かすよう指示し,その後そのまま発声させながら同じ運動をさせている.無声時と有声時で舌の運動速度がきわめて大きく変動したり,舌の運動そのものが不器用な場合にも機能的要因を疑う.舌根部は舌骨に付着しており,無声時には問題なく運動できても,有声時に喉頭が挙上していると舌骨と甲状軟骨周辺部に過剰な筋緊張が起こるために舌のスムースな運動が阻害されると著者は考えている”


“咽喉頭逆流症が疑われる場合には…(1)食生活の改善,(2)就寝時間と姿勢,(3)肥満の改善”“高脂肪食は下部食道括約筋圧の低下につながるので避ける”“チョコレート,スパイシーフード,アルコール,コーヒー,炭酸飲料,柑橘類ジュース,玉葱,ペパーミントなども誘発食品として挙げられているので避ける”


“治療場面で「できる発声」から日常生活で無意識に「している発声」になるまでにかなりの発声練習回数が必要と考えられる.著者らの研究では,健常成人女性の場合,少なくとも1500回の繰り返しが必要であった”


“チューブを用いた発声訓練方法”“北欧では1900年代初頭から使われていて…Titze 21)によるとハミングや口唇や舌のトリルでも同じような効果があるとしている”

 

 

元ツイート:

 

 

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