huuchiの音楽論文案内

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持続母音発声時の内視鏡下喉頭所見のスコア化によるmuscle tension dysphoniaに対する音声治療の効果の検討

 

『持続母音発声時の内視鏡喉頭所見のスコア化によるmuscle tension dysphoniaに対する音声治療の効果の検討』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp1960/44/4/44_4_292/_pdf

 

 

“muscle tension dysphonia(以下MTD)は,発声時に,喉頭の筋肉の過剰な緊張が原因で喉頭内腔が押し潰されることによる発声の異常のことを意味しており,喉頭内視鏡検査では,仮声帯の過内転,披裂部の喉頭蓋基部への前後方向への圧迫の所見を示す”


“経鼻ファイバースコープ検査より,持続母音発声時の喉頭内3部位の圧迫の程度から算定する「MTDスコア」を開発し,MTD症例に対する音声訓練の治療効果を明らかにするために,治療経過を通じてのMTDスコアの変化について検討”


“31例中24例で,音声訓練の回数を経るにつれて,経時的に過緊張発声障害スコアの減少が認められた.そのなかの21例においては,スコア0となり,同時に嗄声の消失が認められた”“結果として,MTDに対して,音声訓練による治療が有効であることが強く示唆された”


“Harris 10)は,感冒後に仮声帯発声が生じ,低い威厳のある声が気に入ってしまい,その声をそのまま日常会話に用いていた男性の仮声帯発声症例について報告している.これは,男性には低く威厳のある声が好まれるという社会文化的な要因が基礎としてあるのであろう”


“MTDの発症原因として,症例のほとんどに,声帯の弓状弛緩が認められることから,萎縮した声帯の弓状弛緩を代償するために生じるという説を提唱”“その他に,ArnoldandPintoは,声帯の不十分な閉鎖を仮声帯が代わりとなって音源となる代償型仮声帯発声について記述している”


“しかしながら,実際にわれわれが経験した31症例においては,声帯の萎縮や声門部間隙を全く認めない症例がそれらの多数を占めていた(未発表データ).この点については,治療前後を通じての詳細な声帯の観察と,さらに多くの症例数の検討により,詳細が明らかになるものと思われる”


“発症に先行するエピソード…感冒,全身麻酔下の手術,音声酷使,ストレスなど”“Arnord and Pinto 6)は,仮声帯発声を原因別に6型に分類…音声酷使,心理的なストレス,喉頭麻痺,中枢の器質的疾患,声帯機能不全の代償などさまざまな原因により発症すると述べており,当研究の結果はこれを支持するもの”


“特に感冒,挿管を要する全身麻酔下の手術,音声の酷使は,いずれも器質的な音声障害を惹起する要因である.声が出にくくなったときに無理をして声を出そうとすることにより,合理的でない喉頭の筋肉の使用が生じて喉頭の過緊張が誘発され,これが習慣化することにより発症するという機序が想定された”


“MTDは的確に診断して,かつ音声治療を施行することにより治療可能であり,嗄声の愁訴を軽減して患者の満足が得られる疾患”“仮声帯発声の治療の失敗の原因の一つは,診断の誤りによる”“MTDは,耳鼻咽喉科の診療において,声帯に異常所見のない嗄声患者では留意すべき疾患”

 

 

元ツイート:

 

 

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