huuchiの音楽論文案内

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water resistanceが声帯振動に与える影響:高速デジタル撮像研究

 

『water resistanceが声帯振動に与える影響:高速デジタル撮像研究』

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

水中チューブ発声の、シリコンチューブの水深が水面から5,10,18cmのそれぞれの場合の声帯振動への影響を、訓練経験のある歌手4人を含む健常者8人で調査。


チューブの水深5,10,18cmのいずれもA-LR,HNR,SFが減少したが、CQは水深10cmで増加し、contact quotientは水深18cmで増加した。CQとジッターは水深5cmで減少した。


この結果は、チューブの先の水深が、発声に影響を与える可能性があることを示している。浅い水深は、よりスムーズで安定した発声を促進するようだが、深い水深は、声門上の抵抗の増加を補うために呼吸及び発声努力の増加を伴う可能性がある。


この水深による影響の違いは、緊張性または低緊張性の発声障害の患者に対する治療エクササイズを選択する際に、考慮する必要がある。


Amplitude-to-length ratio (A-LR):声帯中心部の振幅と声帯の長さの比。
harmonic-to-noise ratio (HNR)=H/N比:高調波対雑音比。この値が大きいほど嗄声(声の含まれるノイズ)の度合いが低い。
spectral flatness (SF):パワースペクトルの平坦度の指標。調波複合音(楽音はこれ)では平坦ではなくなり、ホワイトノイズで最大になる。tonalness(高さを持った音らしさ)を表す。
closed quotient (CQ):声門閉鎖時間率
contact quotient:声帯の接触度合いを示す。
*先行研究[15]で、左右の声帯の衝撃が強くなるほど声帯の接触時間は長くなり、contact quotientの値は上昇し、open quotientの値は減少することが示されている。

 


元ツイート:

 

 

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