huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。一部、論文化されていない研究の紹介も含みます。

音声障害をきたす疾患の診断と治療

『音声障害をきたす疾患の診断と治療』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo/57/3/57_114/_pdf

 

“できるだけ多くの耳鼻咽喉科医師が音声障害の診療に抵抗なく入れるようになることを望むところであり,本稿がその一助となることを祈りつつ,音声障害の診断の流れ,実際の治療について解説する”


“音声障害の専門医は日本において十分とはいえず,欧米においては人気の専門分野”


“問診においては音声障害の内容として,声のかすれ,つまり,音声疲労の有無などを,発症が突然か徐々にか,きっかけはあるか,また付随症状として咽頭痛,咽喉頭違和感,呼吸困難感などがあるかを聴取する”


“背景として声の乱用の有無,これに関連して職業の確認,喫煙・飲酒,胃食道逆流症の既往,頸部・胸部の手術歴などを確認する”


“聴診では聴覚印象としてGRBAS 尺度評価1)が頻用される。GRBAS は日本音声言語医学会により開発された声の評価法であり,気息性嗄声(B:breathy),粗造性嗄声 (R:rough),無力性嗄声(A:asthenic),努力性嗄声(S:strained)の成分を4段階評価するもの”


“気息性嗄声は声門閉鎖不全により発生するものであり,粗造性嗄声は声帯の物性の不均衡からおこり,典型的には二重音声となる”


“気息性嗄声の代表が一側反回神経麻痺であり,粗造性嗄声の代表はポリープ様声帯であるが,左右声帯のテンションに左右差が生じる場合にも発生するので,一見声帯が正常に見えても,次のストロボスコピー検査によって左右声帯の振動の同期に問題がないかを確認する”


“無力性嗄声の代表は心因性発声障害であり,努力性嗄声の代表は痙攣性発声障害


内視鏡検査ではまず器質的異常,声帯の運動障害がないかを診る。器質的異常には隆起性病変,萎縮性病変があり,隆起性病変では良性病変(ポリープ,結節,嚢胞,ラインケ浮腫など),(前)悪性病変の鑑別診断が必要となる”


“萎縮性病変では加齢萎縮,瘢痕,溝症などの鑑別を行う”“器質的異常,運動障害がない場合は,機能性発声障害や痙攣性発声障害,さらには心因性発声障害の鑑別となる”


“機能性発声障害の診断:一口に機能性発声障害というが,この診断は容易でないことが多い。本来,声帯粘膜,筋肉,神経系に異常がないにもかかわらず,呼吸法と内外喉頭筋の誤用によりおこる発声障害であり,その形態は個々により様々”


“過緊張性発声障害においては声門上部の拘扼が特徴とされるが,声楽家の歌唱においては声門上部の拘扼は歌唱フォルマント形成のために必要であり,これを過緊張かといわれると,決してそうではない”


“低緊張は声門閉鎖力の減弱として定義されるが,声門下圧の不足も大きく関与しており声門だけの問題として捉えるのは問題である”“機能性発声障害は腹圧から声門下圧,呼吸流,声門さらに共鳴器官を含めた全体の発声様式として捉える必要がある”


“音声治療において,過緊張型だから弛緩法,低緊張型だから緊張法という単純な対応は避けるべきで,いわゆる過緊張,低緊張にかかわらず包括的な音声治療手技を用いるのが現在の世界的な流れ”


“筋緊張性発声障害(MTD:muscle tension dysphonia)は痙攣性発声障害(SD:spasmodic dysphonia)とまったく同じような喉頭所見と声を呈することがあるので鑑別が難しく,事実上不可能なことが少なくない”


“MTDは機能性発声障害であり,SDは神経原性発声障害(病態はジストニアとされる)であるので,これを正しく診断しないと治療を間違うことになる”


“MTDは外喉頭筋の関与が強く,舌骨上筋群の過剰収縮のため喉頭高位,ピッチ上昇をきたしやすい。またSDは連続会話時の音声障害が著明で,課題特異的な面があるが,MTDでは見られないので,鑑別の参考になる”


“忘れてならないのは,声帯麻痺の場合,声門閉鎖不全のみでなく,麻痺声帯のテンション(張り)が悪くなっていることである。これには個人差が大きいが,十分な声門閉鎖を行っても嗄声が残存する例が少なからず存在する。このような症例においては神経再建などの方策を検討する必要がある”


元ツイート:

https://x.com/huuchi/status/1987833265173262621

 

 

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