『Elite Vocal Performersを対象とした音声障害の診療に対する意識調査―アンケート調査報告―』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/58/1/58_34/_pdf/-char/ja
“Elite Vocal Performers(EVP)は職業歌手や舞台俳優など自身の声を芸術的に用いパフォーマンスを行う職業者”“音声診療に対してどのような意識や希望をもっているのかを明らかにした”
“職業歌手83名,舞台俳優および声優9名,計92名(男性41名,女性51名)”
“声の悩みを解決するために行っている行動はボイストレーニングが58.7%で最も多く,次いで病院への通院が35.9%”
“EVPは自身の声質によってパフォーマンスの質が決定するため,常に良好な状態に保っておきたいという希望が強い”“声に何らかの悩みをもっている者は,78%で程度の差はあるものの「ある」と答えており一般よりもかなり繊細”
“声が衰えたと感じるのも一般診療では高齢者に見られる訴えであると思われるが,20~30代でも声が衰えたと感じており,半数を超えるEVPが衰えを感じたことがあるという結果”“これは常にトレーニングを積んでいるために体力的な変化や経験が発声の感覚に鋭敏な影響を与えているのではないかと考えられる”
“月経周期に関しては発声への影響があるとの報告があるが…アンケート調査からも女性のEVPは月経周期がパフォーマンスに影響しているようである”“ホルモンバランスが声帯への直接的影響があるのか,全身的に影響しているのかは判断できないが,発声困難の原因の一つであることを念頭におく必要がある”
“発声の機序をよく理解していると答えた者は3割程度…発声のプロフェッショナルといえど,音声生理学的な事項について十分に理解しているとはいえない”“医学的な視点から発声の仕組みを説明したうえで,一般的な声の衛生指導11)や声帯の過緊張や酷使の緩和を促す音声治療を行うことは効果的”
“声帯炎の治療には沈黙療法は汎用する手段であり重要”“沈黙の程度については半数が筆談もしくは返事程度でほとんど声を出さなかったと答えている(問18).あまり守らなかったと答えた者は3%に過ぎず,指示を遵守し改善意識が高いことがうかがわれた”
“医学的所見に基づいて治療を提案するのはもちろんだが,一方的に沈黙を命じたりすることなく事情を勘案する心構えも必要である”“医学的に多少の問題があるとしても舞台に立つことを後押しするのを前提に診療することが信頼関係を構築するうえで大切である”
この調査に参加した医療施設:
①二村耳鼻咽喉科ボイスクリニック
②文珠耳鼻咽喉科医院
③大阪府済生会中津病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
④国際医療福祉大学東京ボイスセンター
⑤戸田中央総合病院耳鼻咽喉科
⑥愛知医科大学耳鼻咽喉科
⑦声のクリニック赤坂 こまざわ耳鼻咽喉科
尚、アンケート調査は①〜④の受診者及びその知人(の中の、問診によってEVPに該当した者)が対象だった。
元ツイート:
Elite Vocal Performersを対象とした音声障害の診療に対する意識調査―アンケート調査報告― https://t.co/IA2NygvtlX
— 風地@毎日音楽の話を(も)しています (@huuchi) 2022年7月19日
“Elite Vocal Performers(EVP)は職業歌手や舞台俳優など自身の声を芸術的に用いパフォーマンスを行う職業者”“音声診療に対してどのような意識や希望をもっているのかを明らかにした” pic.twitter.com/NESYAGxqET
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