huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。一部、論文化されていない研究の紹介も含みます。

リアルタイムMRIに基づくオペラ歌唱の声量の制御に関する研究

 

『リアルタイムMRIに基づくオペラ歌唱の声量の制御に関する研究』

https://takemoto-lab.com/home/wp-content/uploads/2022/06/takahashi-MA-Nov-2021.pdf

 

“プロのオペラ歌手と音楽大学で声楽を学んでいる学生が歌唱時に声量を変化させたときの発声器官の制御をrtMRIで観測し,声量を変化させるメカニズムについて検討”


“中音域ではdecrescendoさせる際に,プロも学生も比較的緩やかな声量の減少”“高音域では,プロは中音域と同様に緩やかな声量の減少が見られたが,学生では一時的な増加や急激な変化が見られた”“より歌唱難易度の高い高音域では,学生は声量を徐々に減少させることができなかった”


“プロは歌声をdecrescendoさせるために横隔膜の上昇度合いを徐々に抑制させることで,呼気を制御し,声量を減少”“学生では,横隔膜の上昇度合いが一定で,それに伴って呼気流量もほぼ一定であると考えられることから,横隔膜の制御以外の機構を用いて呼気流量を制御し,声量を増減させている”


“声量の減少とともに,プロの軟口蓋は次第に下降して鼻咽腔が開くのに対して,学生の鼻咽腔は閉じたまま”“鼻咽腔が開き副鼻腔に音声波が流入すれば,副鼻腔はその共鳴により特定の帯域の音響エネルギーを減少させるため,消音器として機能する”


“すなわち,プロは横隔膜の上昇を抑制して呼気流量を低下させるだけでなく,鼻咽腔を開くことにより声量を変化させていると考えられる”


“プロでは声量が変化しても声道形状は変化しなかったが,学生では声量が減少すると口唇が閉じ,舌が上昇して声道が狭くなった.これは,肺から口唇までの呼気流が通過する経路の出口を絞ることによって呼気流量を低下させることにより喉頭音源の音量を減少させたと考えられる”

 


元ツイート:

 

 

この記事及び元ツイートは元文献(の存在)を紹介するだけの簡単なものですので、詳しい内容についてはリンクから参照してください。