huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。過去ツイも順次追加中。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

学生オペラ歌手における胃食道逆流の高い有病率.症例対照研究

『学生オペラ歌手における胃食道逆流の高い有病率.症例対照研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 声楽科でオペラを学ぶ学生歌手30人の胃食道逆流の有病率を、非歌手対照群20人と比較。結果、有病率は学生歌手96.67%/対照群30%で、学生歌手の方が高かった。学生歌…

放射線療法のリスクのある器官としての機能的嚥下ユニット(FSU)についてPART1:生理学と解剖学

『放射線療法のリスクのある器官としての機能的嚥下ユニット(FSU)についてPART1:生理学と解剖学』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 放射線治療時にリスクのある嚥下器官SWOARである咽頭収縮筋と喉頭以外の、嚥下の重要な要素(舌骨喉頭挙上HLE/舌根後退TBR/舌運動…

舌骨喉頭複合体を上昇させる筋肉の構造分析

『舌骨喉頭複合体を上昇させる筋肉の構造分析』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 嚥下にとって重要な舌骨喉頭複合体の上昇に対し、ここで提案された前後のスリング筋(後述)が重要な役割を果たしていると示唆された。舌骨喉頭複合体の上昇に対する寄与度の順位:舌…

プロのオペラ歌手の声帯のCT画像による形態計測分析

『プロのオペラ歌手の声帯のCT画像による形態計測分析』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 健常な93人のオペラ歌手の声帯長/声域/身長/体重/BMIなどを計測し、声帯長と声種/声域の関係、及び声帯長/声域と身長/BMIなど肉体的特徴の関係を調査。声域の調査については…

歌声の質:上顎歯列弓の影響と歌唱スタイル

『歌声の質:上顎歯列弓の影響と歌唱スタイル』 sciencedirect.com 14人の女性歌手の上顎歯科模型から測定。口蓋の深さが前方深めで後方浅め、歯列の幅が前方幅広めで後方幅狭めな歌手は、オペラ歌唱向き。口蓋の深さと幅が全体的に大きい歌手は、ベルティン…

顔の長さ及び幅と基本周波数との関連

『顔の長さ及び幅と基本周波数との関連』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 男女50人の顔の寸法と声の高さの関連を調査。上顎下顎と顔の横幅の広さは、F0と話声位の低さと中程度の相関。顔の縦の長さは、話声位の低さと、程度の少ない相関あり。小顔の人は声が高め、…

異なる成長パターンの被験者における上下咽頭の気道幅、舌位、舌骨位置の評価

『異なる成長パターンの被験者における上下咽頭の気道幅、舌位、舌骨位置の評価』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 顔型による舌骨位置の違い等を評価。短顔型は長/中顔型と比べ舌骨は後下方に位置。長顔型は短顔型より上気道が著しく短い。長顔型群は舌背位置が高…

異なる顔面骨格パターン間の咽頭気道特性に対する舌骨位置の影響

『異なる顔面骨格パターン間の咽頭気道特性に対する舌骨位置の影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 骨格(咬合)クラスI,II,IIIの咽頭気道に対する舌骨位置の影響を調査。II級は他と比べて下気道前後径が狭く、舌骨はより後上方にあった。下気道前後径は舌骨に関連…

声のゆらぎの測定値に対する頭部伸展と舌突出の影響

『声のゆらぎの測定値に対する頭部伸展と舌突出の影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 基本周波数/ジッター/シマーに対する頭部伸展と舌突出の影響を女性49人/男性66人で調査。結果、頭部伸展は基本周波数の増加とゆらぎの減少に関連し、舌突出は基本周波数の低…

上気道の虚脱性は肥満と舌骨の位置に関連する

『上気道の虚脱性は肥満と舌骨の位置に関連する』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 34人の日系ブラジル人男性のOSAに関わる調査。肥満(BMIと、頚と腰の周囲長から抽出)と舌骨位置が、共に咽頭気道内圧と関連。舌の体積と長さ/咽頭の長さ/MPH(下顎下縁平面ー舌骨間距…

肥満減量手術による急激な体重減少は女性の声を損なうか?

『肥満減量手術による急激な体重減少は女性の声を損なうか?』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 肥満減量手術を受けた18〜59歳の女性肥満患者37人の術前/術後の声を評価。術後は、嗄声の減少、F0の上昇、発声の安定、最長発声持続時間の延伸、逆流の改善などが観察…

カラオケ歌唱による声質変化と水分摂取の関係

『カラオケ歌唱による声質変化と水分摂取の関係』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/55/3/55_195/_pdf/-char/ja “16曲のカラオケ歌唱はその後の低い声と出しやすい声の高さの発声に影響を及ぼすことが示された”“高い声での発声が水分摂取の有無に…

睡眠呼吸障害:OSAHSにおける上気道閉塞発症のメカニズム

『睡眠呼吸障害:閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群 (OSAHS) における上気道閉塞発症のメカニズム』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/69/1/69_1_17/_pdf/-char/ja “咽頭気道を閉塞させる圧をcriticalclosingpressure(Pcrit)と称し,この概念を発展”“…

妊娠と歌声:症例研究からの報告

『妊娠と歌声:症例研究からの報告』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 妊娠がセミプロのクラシック歌手の声に及ぼす影響を調査した。妊娠中にエストロゲンとプロゲステロンが大幅に高値になり、出産後には大幅に減少。妊娠中はPTPとCTPが高いことから声帯の運動性の…

湿ったガーゼを介した鼻呼吸は声帯の表面水分補給を強化し声帯機能を最適化する

『湿ったガーゼを介した鼻呼吸は声帯の表面水分補給を強化し声帯機能を最適化する 』pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 湿らせたガーゼ+鼻呼吸+エクササイズの効果を検証。声門閉鎖、粘膜波の振幅、声門の最大開口、シマー、GRBASのBが全て改善。これは声帯表面の水和…

ソプラノの高い基本周波数での声帯振動

『ソプラノの高い基本周波数での声帯振動』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov プロのクラシック歌手の、「可能な限り/i/母音」でのC6→G6の音階の発声中の声帯を分析。最高音のG6(1568Hz)まで、完全な声帯閉鎖を伴う振動が声帯全長に観察された。但しF0の上昇と共に、…

上気道の解剖学的構造および無呼吸低呼吸指数に対する体重減少の影響.舌脂肪の重要性

『上気道の解剖学的構造および無呼吸低呼吸指数に対する体重減少の影響.舌脂肪の重要性』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 閉塞性睡眠時無呼吸の肥満者67人の上気道の解剖学的構造に対する減量の影響を調査。体重減少は舌脂肪/翼突筋/気道側壁全体の、体積の減少と…

ピッチ跳躍の発声のための呼吸運動学と声門下圧の調節-ダイナミックMRI研究

『ピッチ跳躍の発声のための呼吸運動学と声門下圧の調節-ダイナミックMRI研究 』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov プロ歌手はピッチ跳躍時に、横隔膜前部を安定させ胸郭をある程度一定に保ちつつ、横隔膜後部を使って声門下圧を細かく制御しているようだ。横隔膜後…

随意呼吸における胸腹部運動比の違いによる呼吸筋酸素消費量の検討

『随意呼吸における胸腹部運動比の違いによる呼吸筋酸素消費量の検討』 https://jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2016/0/2016_0828/_pdf “【結論】横隔膜呼吸は,呼吸筋酸素消費量の少ない随意呼吸方法であることが明らかになった”“呼吸筋酸素消費量の少ない…

減量手術後の音響パラメータの変化

『減量手術後の音響パラメータの変化』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 肥満の減量手術を受けた15人の体重減少後の音響パラメータの変化を調査。術後はF0が低下傾向/ジッターとシマーは増加傾向。減量による、声道の長さと形状、舌の高さと位置の変化は、特にフォ…

Elite Vocal Performersを対象とした音声障害の診療に対する意識調査―アンケート調査報告―

『Elite Vocal Performersを対象とした音声障害の診療に対する意識調査―アンケート調査報告―』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/58/1/58_34/_pdf/-char/ja “Elite Vocal Performers(EVP)は職業歌手や舞台俳優など自身の声を芸術的に用いパフォー…

ヒト声帯の挿入部に対する加齢の影響

『ヒト声帯の挿入部に対する加齢の影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 男性22人/女性15人の喉頭の加齢による変化を調査。交連領域の高度な骨化/声帯腱でのグリコサミノグリカンの減少/弾性組織の変化は、声帯の挿入部位を硬化させる。これは加齢による声の変化…

肥満集団における音響的、知覚的および空気力学的音声評価

『肥満集団における音響的、知覚的および空気力学的音声評価』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 肥満/正常体重それぞれ20人の音声評価を比較。肥満群はGRBAS尺度での判定では発声の質が低く、最長発声持続時間が正常群より大幅に短かった。音響分析とVocal Handicap…

発声障害の有る/無い女性歌手の腹筋機能に違いがあるか?-観察研究

『発声障害の有る/無い女性歌手の腹筋機能に違いがあるか?-観察研究』https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34020853/ 健康な歌手は腹式呼吸、発声障害の歌手は胸式呼吸だった。発声障害の歌手は腹横筋が薄く、歌唱中の厚みの変化が大。また、特に腰椎・頚椎・…

ヒト声帯黄斑の機能―ヒトはなぜ一生発声できるのか―

『ヒト声帯黄斑の機能―ヒトはなぜ一生発声できるのか―』 www.jstage.jst.go.jp “ヒト声帯の粘膜固有層浅層(ラインケ腔)には,振動を妨げる腺組織はなく 9,10),分布する血管は主に毛細血管であり11),線維芽細胞などの間質細胞は疎であり,声帯振動に有利な…

ホルン奏者のリップトリル中の舌の動き:RT-MRIでの観察

『ホルン奏者のリップトリル中の舌の動き:RT-MRIでの観察』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 高速トリルで顎のみの戦略を取った1人も、低速トリルでは舌を使っていた。また、その他の全ての奏者(高速トリルで舌のみ/舌と顎の併用)は、低速トリルで舌を使った。従…

歌手の音声障害における声の不満と歌唱スタイルの影響

『歌手の音声障害における声の不満と歌唱スタイルの影響 』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 声に不満の有るクラシック歌手は、同ポピュラー歌手より高い声のハンディキャップスコアを示したが、不満の無いクラシック歌手は同ポピュラー歌手より低いハンディキャッ…

現代商業歌手のボイスケアにおける労働衛生と安全面の検討及び必要性

『現代商業歌手のボイスケアにおける労働衛生と安全面の検討及び必要性』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov レビュー論文。ポピュラー歌手(CCS)は声の衛生に対する意識が低く、声の問題のリスクが高いことが報告されている。クラシック歌手と比べ、健康的な発声の知…

BMIと脂肪量は、女性の発声の質、声域、および空気力学に影響を与えますか?

『BMIと脂肪量は、女性の発声の質、声域、および空気力学に影響を与えますか? 』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 29人の女性を正常体重/低体重/肥満の3群に分けて比較。他の2群と比べ肥満群は声の強度レベルが高く、最大音声強度も高く、正常体重群よりシマーが低…

舌骨の寸法は閉塞性睡眠時無呼吸の重症度と独立して関連している

『舌骨の寸法は閉塞性睡眠時無呼吸の重症度と独立して関連している』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者男性106人の重症度と舌骨の寸法の相関を調査。無呼吸低呼吸指数(AHI)と舌骨の横幅(GH-d)及び前後幅(AP)に有意な逆相関が見つかった…