huuchiの音楽論文案内

音楽関連の論文案内ツイートを記事にまとめています。過去ツイも順次追加中。

声帯の結節と浮腫は振動誘発性の毛細血管圧上昇が原因の可能性がある

『声帯の結節と浮腫は振動誘発性の毛細血管圧上昇が原因の可能性がある』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 声帯の血管内圧と声帯の振動数及び振幅との関係を調査。話声発声中に声帯血管内圧は20cmH2Oを超える可能性があり、叫び声や歌声の発声時にはそれよりはるか…

オペラ歌手の骨盤底の状態.経会陰超音波を用いたパイロット研究

『オペラ歌手の骨盤底の状態.経会陰超音波を用いたパイロット研究 』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 女性オペラ歌手10人の骨盤底筋について、仰臥位での安静時と収縮時、及び立位での安静時と歌唱時の状態を、経会陰超音波法で調査。結果、歌手は自発的な骨盤底…

高速イメージング,音響スペクトル,逆フィルタリングを用いたモンゴルの「喉歌」の音源特性の研究

『高速イメージング,音響スペクトル,逆フィルタリングを用いたモンゴルの「喉歌」の音源特性の研究』pubmed.ncbi.nlm.nih.gov カルグラーの音源を、ある男性歌手のモーダル発声(地声)とカルグラーの交互の発声で研究した。声帯はどちらの歌唱モードでも同…

病的肥満の女性における基本周波数,最長発声持続時間,声の不満

『病的肥満の女性における基本周波数,最長発声持続時間,声の不満』https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24676298/ 肥満患者は声道に異常な脂肪沈着があり、声の生成が妨げられる可能性がある。この研究では病的肥満の女性44人と対照健常群30人の基本周波数,最…

音楽家の関節過可動性の利点と欠点

『音楽家の関節過可動性の利点と欠点』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 音楽家660人(女性300人,男性360人)の関節の過可動性について調査。反復運動を必要とする楽器を演奏する音楽家にとって、手首や肘などの関節の過可動性は財産である可能性があるが、膝や脊椎な…

エスニックスタイルとポップスタイルのグロウルボイス

『エスニックスタイルとポップスタイルのグロウルボイス』https://www.semanticscholar.org/paper/Growl-Voice-in-Ethnic-and-Pop-Styles-Sakakibara-Fuks/fbed4a30602965996556f87f93e04786fd3cca47 民族音楽(南アフリカのコーサ族の音楽)やポップスタイ…

グロウル及びスクリーム歌唱の合成に向けた音響的特徴の分析

『グロウル及びスクリーム歌唱の合成に向けた音響的特徴の分析』 cir.nii.ac.jp “デスメタル,メタルコアなどエクストリームメタルと言われるジャンルで頻繁に用いられる,グロウル及びスクリーム歌唱について音響的特徴の分析を行った” 〈はじめに〉“1.1 デ…

プロの非クラシック歌手における一般的な音声エフェクトと部分的な声門振動

『プロの非クラシック歌手における一般的な音声エフェクトと部分的な声門振動』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 健常なプロの男性のポップ/ロック/メタルの歌手5人とミュージカル歌手5人の、非クラシックのボーカルエフェクト(所謂デスボイスを含む)を調査。 観…

オペラ歌手の姿勢制御

『オペラ歌手の姿勢制御』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 立位での姿勢制御(足圧中心の変位から体の揺れを測定)について、オペラ歌手17人と対照群12人を複数条件(①開眼,②閉眼,③歌唱姿勢(※)で開眼,④歌唱姿勢(※)で閉眼,⑤開眼で指定された特定のフレーズを歌唱,⑥開…

ラインケ浮腫:発声メカニズムと管理戦略

『ラインケ浮腫:発声メカニズムと管理戦略』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ラインケ浮腫の病態生理学に関連する発声メカニズムを、喉頭顕微鏡下手術を受けた患者20人分析。 ラインケ浮腫患者は、術前の喉頭ストロボスコピー検査により、声帯の表面固有層(ライン…

チェストとファルセットの声区間のピッチジャンプ:ヒトの生体喉頭と摘出喉頭からのデータ

『チェストとファルセットの声区間のピッチジャンプ:ヒトの生体喉頭と摘出喉頭からのデータ』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov チェストレジスタ(M1)とファルセットレジスタ(M2)の急激な遷移(ジャンプ)について、切除されたヒト喉頭と生きた被験者3人(女性1人,男性…

頸部痛を伴う筋緊張性発声障害に対する理学療法

『頸部痛を伴う筋緊張性発声障害に対する理学療法』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 頸部痛のある筋緊張性発声障害(MTD)患者178人に対する音声治療(VT)と徒手的理学療法(PT)の単独または組み合わせの有効性を5群(後述)に分け調査。結果、VTの有無に関わらずPTによ…

肺の健康のための歌唱の生理学的要求とトレッドミル歩行との比較

『肺の健康のための歌唱の生理学的要求とトレッドミル歩行との比較』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 健常成人8人の心肺パラメータを、歌唱セッションとトレッドミル歩行(2,4,6km/h)で比較。歌唱により誘発された生理学的反応は中強度の運動と一致し、酸素消費量,…

乳児の泣き声における旋律の複雑さと生後2年目の言語習得との関係:縦断的研究

『乳児の泣き声における旋律の複雑さと生後2年目の言語習得との関係:縦断的研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 生後2ヵ月時点の泣き声に含まれる複雑な旋律の割合が45%未満の乳児は、それより割合が高い乳児と比べて、2.5歳時点での言語発達の遅れを発症してい…

ホイッスルレジスターとM3:男女歌手の可視化と音響による予備的HSDI調査

『ホイッスルレジスターとM3:男女歌手の可視化と音響による予備的HSDI調査』 https://www.semanticscholar.org/paper/Whistle-register-and-M3%3A-A-preliminary-HSDI-by-and-Corcia-Fussi/a6102073349a5d184e86706c35a34b7e9b2f6461 ホイッスルボイス発声…

新生児声帯粘膜の微細構造

『新生児声帯粘膜の微細構造』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka1947/100/5/100_5_479/_pdf “新生児の声帯膜様部を透過型電顕で観察” “成長,発達前の新生児の声帯粘膜は,形態学的に成人の声帯粘膜とは異なっている”“声帯は成長,発達し老化す…

早産後の学齢期における喉頭の病変

『早産後の学齢期における喉頭の病変』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 妊娠23週から29週の間に生まれた20人の早産児の喉頭を調査。全員に少なくとも軽度の声門上機能亢進があり、19人に喉頭の構造的病変があり、14人に声門後部間隙があった。 声門上機能亢進は、…

早産が発声に関わる喉頭の発達に及ぼす影響

『早産が発声に関わる喉頭の発達に及ぼす影響』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 早産児の「早産のみに起因する音声障害」について、15の関連論文のスコーピングレビューを行った。結果、在胎週数や出生後の発声に応じて、喉頭の骨格の発達や声門の形状と声帯の組織…

思春期前の男性合唱歌手の内視鏡所見

『思春期前の男性合唱歌手の内視鏡所見』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 変声前及び変声の程度の浅い少年合唱団の歌手28人の喉頭を調査。声種は全員がソプラノだった。7人(25%)の参加者には声帯病変があった。 参加者が歌唱した4つの周波数のうち、24人(85%)の参…

女性歌手における輪状甲状間スペースと声域の関係

『女性歌手における輪状甲状間スペースと声域の関係』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov クラシックの女性歌手43人の安静呼吸時の輪状甲状間スペースと声域の関係を調査。メゾソプラノ歌手はソプラノ歌手よりもCTスペースが有意に広かった(11.6mm 対 10.4mm)。 CT…

総合スポーツ医学:オペラ歌手の心臓のパフォーマンスに関する初の調査

『総合スポーツ医学:オペラ歌手の心臓のパフォーマンスに関する初の調査』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 心臓の機能に対する歌の影響を、オペラ歌手17人とハイレベルアスリート15人を12誘導心電図と2D心エコーで比較して検証。 LV mass(左室心筋重量)はアスリー…

健康な話者の発声努力と強度の変調時の声門下圧の推定として頸部表面の振動の大きさ

『健康な話者の発声努力と強度の変調時の声門下圧の推定として頸部表面の振動の大きさ』https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29204608/ 3段階の発声強度で発声中の、頸部表面の振動と声門下圧(推定値)との関連を健常成人12人で調査。頸部の振動は声門下圧と有意…

表在性喉頭脱水による音声への悪影響の加湿による軽減

『表在性喉頭脱水による音声への悪影響の加湿による軽減』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 空間の加湿治療が、喉頭表面の脱水による発声閾値圧(PTP)への悪影響を軽減するかを調査。 実験では、音声疲労群20人と対照群20人が「脱水(湿度16~27%の低湿度環境で口呼吸…

良性声帯病変の有病率に対する職業上の騒音曝露の影響:全国的な集団ベースの研究

『良性声帯病変の有病率に対する職業上の騒音曝露の影響:全国的な集団ベースの研究』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 職場での騒音曝露歴と良性の声帯病変との関係を調査。声帯病変があった参加者は、喫煙,高血圧,糖尿病,職場での3ヶ月以上の騒音曝露が有意に多か…

クラシック歌手はクラシック以外の歌唱にも堪能

『クラシック歌手はクラシック以外の歌唱にも堪能』https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38023013/ 女性クラシック歌手22人が他の音楽スタイル(ポップスとララバイ)に歌唱を調整する能力を調査。792件の録音の音響分析では、それぞれのスタイルの歌唱が可能だ…

高齢者の声の変化と喉頭の変形(加齢性音声障害と老人性喉頭)

『高齢者の声の変化と喉頭の変形(加齢性音声障害と老人性喉頭)』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 加齢性音声障害や老人性喉頭に関するレビュー論文。 60歳以上の人口の約20%は音声の問題(加齢性音声障害)を抱えている。歌声はこの問題に、話し声よりもより多くよ…

クラシックの訓練を受けた初心者及び経験豊富な歌手の顎の開き

『クラシックの訓練を受けた初心者及び経験豊富な歌手の顎の開き』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov クラシックの初心者とプロ歌手の各6人の歌唱時の顎の開きを調査。この2群で顎の開きに有意差は無し。2人を除く全歌手は[a]発声時に[i]や[u]よりも顎が開いていた。…

10人のソプラノ歌手が歌う,長く持続するクレッシェンドのビブラートパラメーターの測定

『10人のソプラノ歌手が歌う,長く持続するクレッシェンドのビブラートパラメーターの測定』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ソプラノ歌手10人のF5とA5の音のクレッシェンドをしながらのビブラート等を分析。分析にはオペラ『アイーダ』の「O patria mia」の10件の…

さまざまなタイプの歌声の男性及び女性のプロ歌手の声道寸法の特徴

『さまざまなタイプの歌声の男性及び女性のプロ歌手の声道寸法の特徴』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov プロ歌手107人の声種と声道の長さ,声量,母音のフォルマント周波数などのパラメータとの関連を検討。結果、メゾソプラノと比べてソプラノは口腔と声道の長さが…

喉頭,呼吸,気流の測定を用いたプロ歌手の評価

『喉頭,呼吸,気流の測定を用いたプロ歌手の評価』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov クラシックのプロ歌手60人の声の人類学的/空気力学的パラメータを調査。最も高い音が出せるソプラノ歌手は最も背が低く最も体重が軽く最も肺容積が小さかった。最も低い音が出せ…